トップページ >> 技法体系 >> 槍術 >> 合気薙刀術 >> | |||||||||||||||||||||||||||||||
構え方は大きく分けて五つあり、「聖眼・中段の構え」「半眼・下段の構え」「天地・上段の構え」などがあり、これに併せて「八相(はっそう)の構え」「脇構え」があり、西郷派大東流ではこれに「小脇構え」を加える。 薙刀の、中段、下段、上段、八相、脇の五種類の構えは、それぞれに特徴があり、臨機応変に変化することが肝腎とされる。これらは攻防のいずれも含まれ、これに裏表が加味されて一体化されている。
薙刀攻防の術では、人体の腹面を「表」といい、背面を「裏」という。戦闘において、攻める場合は敵の「裏」を攻めると同時に、「表」を攻め、自分は敵を「裏」に入れないように防御し、裏に入れないように用心することが大事である。 西郷派大東流の足捌きは、穏陰之構(おんいんのかまえ)の足の構えに由来し、それを左に移したものが「穏陰之構・左構え」である。これは剣術などと対峙した場合、半身構えは逆となる。脚幅(あしはば)は「一足長半」を保ち、前足を軽く踏みだし、姿勢を整える。また後足は、敵の動きに応じて直ぐに退けるようにし、「浮氷を踏む」あるいは「浮き舟の躰」の足の教えに従うのを最も重要視される。 薙刀は太刀よりも長く、長巻が変化したものといわれるが、太刀の刃に長い柄を付け、これによって人馬を一騎に薙払う武器として発明されたものである。 流派としての薙刀術は徳川時代に入ってからであり、主に以降、武門の婦女子に稽古される風潮が生まれた。しかし一方で、実戦薙刀として神道流、新当流、天道流(天流)、根岸流、武甲流、東軍流、米田流、水鴎流、鈴ヶ流、静流、三和流、富樫流、留多流、穴澤流、常山流、柳剛流、先意流、直心影流、巴流、疋田流、念流などにも剣術を主体とした薙刀術ができ上がっていた。 薙刀と槍を武器の上から比較すると、薙刀は切落しや薙払いを目的とした武器で、また、槍は「しごき」の技術を以て「突く」という事が目的であり、槍の柄の断面は円であるが、薙刀の場合は楕円である。 槍の場合は、「突く」「刺す」という事が目的であるのだから、手の裡の滑りを良くする為にこの断面は円であり、「捻り」が加わる為、突き出す際の手の裡は、拳銃で言うなら銃身の役割を果たし、その筒を通して突き出す技術になっている。これは棒や杖にも言える事である。 さて、薙刀の深遠な技術は、総て半身で構える事が基本になっており、左半身で構えるというのが薙刀術の特徴であるが、西郷派大東流はこれに創意工夫を加え、最初から右半身で構える形もある。 薙刀術は槍術や棒術と同様、躰は半身に構え、足は鐘木足に開くのを玄理とする。 形の稽古をすれば、それを反復することによって躰の熟しや動作が機敏になり、正しい姿勢を維持する事が出来、更には「打ち」「突き」の機会・汐時が瞭になり、間合を知り、呼吸を悟る事が出来る。
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||