大東流の理合は、太刀捕りに代表され、剣技の裏技として太刀捕りがある。 この太刀捕りは「位之太刀」といい、一般には四方投げとして知られているが、この「四方投げ」は無刀之術に由来する。 また太刀捕りは「剣の理合」から出発した術理で、この「四方投げ」は他の古流柔術には見られない技法である。
この「四方投げ」は、素手対剣に対しての無刀捕りであり、「無刀の秘術」と称され、「四方之位」から由来したものである。 ここで用いられる「位」とは、「居捕(いどり)」を表わし、四方八方に斬り結ぶ敵の懐(ふところ)に入り込み、受け、転身して掛け取る刀法の裏技で、太刀に対抗する無刀の技法である。
一般に知られている合気道の四方投げは、大東流二箇条より発した四方投げで、「両手持ち」あるいは「片手持ち」から始まる四方投げであるが、本来の「四方之位」は太刀で斬りかかって来る敵に対し、それを制する業であり、この修練法は両手持ちなどの素手対素手でなく、素手対剣という防禦法のみ、実戦で通用する業である。