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●合気揚げ解説合気揚げは両手を強く封じられ、それを揚げる業(わざ)である。この業は「合気」に通じる総ての極意が含蓄されていて、これが会得できなければ、大東流の合気は完成を見ない。 この業は単に、強い力で両手が封じられ、それをリフトのような腕力で強引に揚げるのではなく、特異な「術」を用いて揚げる業である。 またこの合気揚げが修得できないと、幾らこうしたものを研究しても、絵に描いた餅であり、貴重な人生において無駄な時間を費やしていると言う事になる。 これを行うには、木刀の素振りが必要であり、肩に筋肉や脂肪を着けてはならない。 全く素人の人が、木刀素振りを始めると、2〜3日で掌には豆が出来のやがて皮が破れる。それでも毎日欠かさず振り続けていると、新しい皮が出来始め、一ヶ月目には肩の筋肉が落ちはじめる。それに反比例して腕がへら鮒形(【註】剣道愛好者の腕が断面は「丸太状」に太くなるのに対し、合気揚げの為に木刀素振りをした人は、断面が楕円で「へら鮒」のような腕の形となる)に太くなり、次第に胆力も養われてくる。
合気揚げは、単に腕力の力によるものではない。しかし、また、催眠術のような相手の心理につけいるものでもない。極めて、物理的であり、丹田(西郷派大東流では経絡上で言う「丹田」や「気海」ではなく、臍下から三寸、更にそのから体内へ三寸の位置に有る「真丹田」を指す)からの内圧と、腕の角度を自転車のフレームのようにする力学的な動かし方に特異性があり、これを養う為に木刀を素振りすると言う事は、合気揚げを会得する、極めて近い、「近道」となるのである。 この場合、素振りによって完成された肩の部分は鎖骨が剥き出しの「骨と皮」の状態でなければならない。ここに、少しでも筋肉や脂肪が付いていると、到底合気揚げの「揚げ」は会得することが出来ず、形だけの合気揚げで終わってしまう事が多い。 また、大東流愛好者の中には、相手に手を握られた場合、その手に「緩み」を齎す為に、上下前後に振って揚げようとするする人がいるが、これは合気揚げの為の、小手先のテクニックであり、本当の合気揚げに繋がる「術」ではない。
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