トップページ >> 西郷頼母と西郷四郎(十一) >> | ||||||||||||||||||||||||||||||
これは京都に於ける佐幕派の中心雄藩・会津藩と結んで、孝明天皇の攘夷宣戦を回避する為にとった政策であった。しかし、この会議も朝廷統制派と幕権強化派が対立するに至り、僅か二ヵ月足らずで解散の止むなきを見る。これが原因で公武合体派の各大名は帰国し、幕府の権威は急速に衰退していくのである。 そして各地には攘夷の嵐が吹き荒れ、これより先に、土佐藩士・吉村虎太郎(よしむら‐とらたろう/幕末の志士。名は重郷。土佐の人。尊攘の挙兵を企てたが、寺田屋騒動で失敗し投獄さる。翌年藤本鉄石らと天誅組の兵を挙げ敗死。1837〜1863)らは「天誅(てんちゅう)組の乱」を起こして大和五条の代官所を襲撃し、その年の十月には平野国臣の「生野の変」、翌年に二月には水戸の藤田小四郎(ふじた‐こしろう/幕末の志士で名は信。水戸の人。藤田東湖(とうこ)の四男。1864年(元治1)、同志と共に尊王攘夷を唱えて筑波山上に兵を挙げ、指揮者となる。事敗れ武田耕雲斎らと西上、越前敦賀で処刑さる。1842〜1865)らが筑波山に立て篭(こも)った「水戸天狗党の乱」等が起こり、攘夷派の挙兵が起こり、七卿の免罪を嘆願した事件が、長州藩の指導的立場にあった久坂玄瑞(くさか‐げんずい/幕末の志士で長州藩士。字は実甫。吉田松陰の妹婿。兵学を松陰に、洋学を藩校に学ぶ。尊王攘夷を唱え、1864年(元治1)兵を率いて京都に入り、蛤御門(はまぐりごもん)の変に会津・薩摩などの兵と戦い負傷し、のち自殺。1840〜1864)や真木和泉(まき‐いずみ/幕末の志士で筑後久留米水天宮の祠官。名は保臣。通称、和泉守。江戸・水戸に遊学、後に蛤御門変に敗れて天王山で自刃。1813〜1864)が自刃(じじん)するといった、「禁門の変(蛤御門の変/元治元年(1864)7月、長州藩が形勢挽回のため京都に出兵、京都守護職松平容保の率いる諸藩の兵と宮門付近で戦って敗れた事件。そしてこれに敗れた長州勢と三条実美らの公家達は京都から一掃されて長州に落ち延びる)」であった。 しかし今まで尊王派として対立していた、長州と薩摩が土佐藩郷士・坂本竜馬の説得に応じ、スコットランド・フリーメーソンの日本支社長トーマス・ブレーク・グラバーの指令を受けた龍馬が、幕府軍と西南雄藩の対立構造を画策することによって、薩長同盟を結ぶ事となり、以後「王政復古」に、益々拍車が掛かる様相を呈したのである。 幕末期、日本は欧米に操られた観が強い。この時代、日本では「ユッタ衆」といわれる、日本人の欧米の走狗が暗躍していた。このユッタ衆は、上位のイルミナティやフリーメーソンの指令で動く影の暗躍者であり、暗殺、転覆、謀略、思想工作などを任務としていた。あるいは渡世人として「任侠の世界」に紛れ込んだ連中だった。 坂本龍馬や中岡慎太郎も、こうした暗躍集団のメンバーであったろうが、両人は自分が所属する暗躍集団の正体を、はじめは知らず近寄り、これに所属していた。また、龍馬の海援隊や「亀山社中」に武器を流していたのは、紛れもなくグラバーであり、龍馬はグラバーから流れる武器を西南雄藩に売りつける任務を背負っていた。 坂本龍馬は近年、司馬遼太郎の小説『龍馬が行く』で有名になったが、この小説を書いた司馬氏は、実際にイルミナティの存在を知らず、龍馬暗躍の背景であるバックの存在を無視している。あるいは当時としては、知らなかったのかも知れない。 龍馬は暗殺された理由は、様々な諸説や憶測が飛んでいるが、おそらく龍馬がイルミナティの内情を知る過ぎたために、暗殺されたのであろう。また、頭の回転が早い龍馬であれば、グラバーの指令を受けつつ動いていて、「どこか訝しいぞ」くらいなことは気付いたはずである。龍馬はイルミナティの存在に気付いた観が強い。 そして明治新政府の登場になり、政府高官にのし上がった大久保利通も、やがてイルミナティの実情を知り、暗殺されることになる。欧米でいう「歴史が変わる」とは、政治指導者が暗殺されて、歴史が変わるということであり、これは間接的には“ケネディ暗殺”まで繋(つな)がっており、都合が悪い人間は、歴史の舞台から消してしまうというのが、欧米人トップの考えのようだ。 こうした暗殺の歴史を考えれば、人間は「歴史」という舞台の中で、人間の欲望をぎらつかせ、支配欲に翻弄(ほんろう)された、一握りの支配階級により、時代が画策されているということである。明治維新もこうした時代であり、その実は「維新」というより、「フリーメーソン革命」であったということが出来る。 本来、会津藩主・松平容保は孝明天皇の信任厚く、また会津藩と薩摩藩は同盟関係にあったが、坂本龍馬の画策によって薩摩との同盟関係は崩れ、会津藩は独り孤立の道を選択するのである。
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