わが西郷派大東流では、礼儀を知る武人の心得として、試刀術を行うにあたっては、斎戒沐浴をし、身を浄め、“紋付・袴”を着用し、白足袋を履き、白襷を掛けて、正装して試刀術を行う。
【上の動画:試刀術演武者】
粗糖術者:岡谷信彦。
【中の動画:試刀術演武者】
三位一体の試刀術者:岡谷信彦、福島維規、中橋雄介。
【下の動画:試刀術演武者】
試刀術者:岡谷信彦、椎名和生ほか。
これは飛び道具をつかった不断の稽古模様である。 |
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据え物斬りは、かつては土壇(どだん)などに罪人の屍(おろく)を置いて、刀剣の斬れ味を試す為に用いられた。
剣術では、「剱(けん)の道」の剣として、据え物が単に刀の斬れ味を試すだけではなく、精神高揚の術として研鑽される。また、「巌(いわお)の身」を動かす剣として心ある武人の礎(いしずえ)になった。そこには「心・技・体」の三者が伴わなければ、不可能であった。これを「奥儀」と呼んで、昔から重視してきた。この奥儀は、修行を積まない者に伝えても、理解できないから、古人は「免許を与える際」に奥儀を口伝(くでん)として伝えたものである。その口伝の中に、剣術は剣術の真髄が横たわっている。
西郷派大東流の剣儀(けんぎ)の特徴は、ただ標的を斬るだけでない。実戦を想定して、まず投擲武器を用い、然(しか)る後に斬りつけていく鍛錬をする。最初から斬るだけの白兵戦では「負けない境地」が確立る出来ない。
かの「人斬り半次郎」の異名をもつ中村半次郎は敵対者として対峙した相手と闘う前、周囲の物をありったけ投げ付けて対戦したと言われる。 |