内弟子制度 16



内弟子入門に関する掲出書類と準備要項


●内弟子人門の体重と身長の資格および対象年齢
 入門審査時の身体検査の体重制限は、『58kg以上〜80kg以下』(ただし女子は43kg〜63kg以下)で、身長には『160cm以上〜188cm以下』(ただし女子は152cm〜175cm以下)である。入門後は体重を56kg〜75kg(ただし女子は45kg〜58kg)までに制限して頂く。
 したがって入門審査時、基準体重に満たない未熟者や、肥満体質者は、入門を固くお断りする。また、制限する以上に身長が低かったり、高過ぎる場合は、これも固くお断りする。肥り過ぎたり、高すぎれば、「合気」に繋がる「潜る」という動作が出来ないからだ。

 募集対象者は、満16歳以上で義務教育を終えた健康な男女。年齢の上限は制限なし。老若男女問わず。健康体の人であれば誰でも入門は可能。
 但し、若くして「神経痛」や「糖尿病」や「高血圧」、更には「肥満症」や「拒食症」および「神経症」や「鬱病」などの持病を持っている者は、入門を固くお断りする。こうした者は、途中で挫折する事は明白である。


●入門志願者の提出する書類は、次の通りである

履歴書(写真の添付されたもの)
現在棲(す)んでいる市町村の住民票(個人のモノでよく、戸籍が記載されているもの)
入門願書(身許保証人の捺印のあるもの)

 以上は、入門審査時に提出する。


●入門審査合格後の掲出書類および各種免許の住所移動

「誓約念書」を提出する。
 
念書内容は次の通り。
 「私はこの度、尚道館の内弟子としてその修行に努力する事を誓います。
 また、この任を仰せつかった以降、西郷派大東流合気武術の門人として、その名誉を穢す事なく、日々精進を重ね、修行に努力する事を慎んで誓約致します」(以上、日本法令の用紙に正書し、収入印紙を貼る)
 以上に署名・捺印(捨て印を含む)をする事。
市町村が発行する転出証明證
 転出証明は速やかに一週間以内に、尚道館管轄の小倉南区役所に届け出なければならない。
年金切替の手続き
 年金を支払っている場合は、社会保険庁の年金手帳とその切り替える。これは尚道館に在籍し始めてからでよい。
運転免許
 運転免許を所持する者は、小倉南警察署に住所移動の届けを出し、免許証に記載願いを出す。
その他の資格や免許の更新
 【註】これまで開業していた鍼灸師や柔道整復師、医師、歯科医師、看護士など資格者は休院届を保健所やその他の関係機関に提出する)の住所移動をする場合は、入館後、自分で行う。また、古物商免許や露店商などの資格は、住所移動後、都道府県単位の公安委員会管轄なので無効になり、改めて最寄りの管轄警察署において、同免許は取得しなければならない。
 また、会社などを退職した者は、失業保険の申請などをハロー・ワークに速やかに提出し、その手続きを取ると同時に、失業保険を貰いつつ、高等職業訓練所で指導を行ける者はその手続きを速やかに行う。



●入門迄に用意する事

内弟子は本来剃髪【註】丸坊主。あるいは剃刀で剃る)をする事になっているが、アルバイトやその他の仕事で、丸刈りが相応しくない職種に就く者は、特別にスポーツ刈りを許可する。長髪や茶髪などの今風の流行を追うものは不許可。
道衣は着替え用を含めて最低二着を揃え、交互に選択して常に清潔な道衣で修行に精進する事。袴は一着でよい。西郷派大東流の正規の武術道衣を着用する事。
普段着は作務衣を着用し、これの最低二着揃える事。作務衣は中に、絽の襟の半襦袢【註】最低二枚程度必要)を着用し、清潔感を旨とする。作務衣は一着2万円から3万円程度である。
山稽古や馬術の稽古には野袴兼馬術袴【註】乗馬袴で、色は焦茶色のウールで出来た袴で筒幅が一般の袴より細い。腰板部は西郷派大東流の馬印が金色で刺繍されている)を着用し、実戦稽古に動きやすいものを着用する。馬術袴は一着3万5千円から4万円程度である。
館内では素足であるが、外出時や祝事、儀式には白足袋を着用する為に、これを最低二枚用意する事。白足袋は破れ易いので最高級品のものが長もちし、一足7千円から1万円程度。黒足袋は武門のものでないので禁止。
履物は雪駄(せった)であり、雨降りは下駄を履く事。白緒の雪駄またはそれに準ずる印伝物の雪駄、および下駄を用意する事。雪駄は2万円前後、下駄は桐下駄で1万円程度。黒の鼻緒は武門のものでないので禁止。ただし高級品の色物の蛇皮、みの虫皮、鹿皮などの飾り物は構わない。
作業外の室内に居る時は、茶羽織を作務衣の上に着用し、礼儀作法を旨とする。また茶道の作法を稽古の場合に用いられ、茶羽織は通常2万円から3万円程度。
居合術や居掛之術を稽古するのは、紋付き用の正絹角帯【註】表面が黒、裏が山吹色)が必要であり、これを用意する事。正絹角帯は2万円程度。一般練習用の現代居合道などが用いている居合帯は、我が西郷派大東流とは儀法様式が異なる為、禁止。
木刀二本、五尺杖二本、腕節棍、白扇【註】わが流の制定の一尺二寸もの。定価12,000円)、八角形素振用木刀1.2キロ(定価は1万〜一万2千円程度)のものが必要である。
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パンツ類は履いてはならず、内弟子は褌(ふんどし)を着用する事。できれば赤褌が好ましい。
赤は血液を顕わし、また生命力を顕わす。「ノーパン健康法」からも窺えるように、腰回りをゴムで締めない、自然な形で生活するのが一番であるが、男子は動きを伴う行動をする場合、睾丸が振動するので、これを防ぐ為に褌を用いる。また褌は通気性も優れている。

 以上を全部揃えれば、軽く10万円を超えてしまうが、本来内弟子に入る場合はこれを全て自前で揃えたものである。また、こうしたものを揃えて、内弟子として入館する事が礼儀である。
 なお、我が流の内弟子は、一般に着用する洋服やその他の衣類は認めないので、常に作務衣を着用し修行に当る事。運動着やジャージやTシャツなども禁止。
 質問や詳細な点で不明があるならば、来館前に、早めに解決しておく事。

 また、以上の道衣や武道具、着物類、履物類は、武術家にとっては商売道具なので、一度に揃わなかったとしても入門後自前で、徐々に経済状態をみながら、揃えるように努力するように心掛けたい。


●入館後の服装

常時作務衣を着用する。私服は一切認めない。作務衣の持たない者は一時期、貸し与えする。
作務衣はその下に半襦袢を着用する。
外出時は白足袋を着用する。
同時に茶羽織を着用する。
稽古時は、西郷派大東流規定の武術衣と合気袴を着用する。
下着は褌を着用する。インキンタムシや疥癬(かいせん)などの伝染病的な皮膚病を持つ者は、入館時迄に治療しておく事。感染性の性病に罹(かか)っている者は入門を禁ずる。
以上が揃ってない者は、徐々に購入し揃えること。

 なお、道衣や乗馬袴などは、当館に出入の武道具店の武術衣などを使用することとする。


●入館の為に用意するもの

洗面具一式やバスタオルなど。
和手拭い、二枚以上。
コンピュータを使用する者は、インターネットを組むので、事前に使用許可願いを願い出ること。またハブなども自前で持参すること。



●内弟子としての言葉遣い

内弟子は、道場の電話応対に出る。その際の言葉使いは丁寧語を遣い、親切に説明或は、要件を適格に承ること。
道場の見学者の応対に対しても同じである。
一般稽古の時には30分前に道衣を着替え、事前の掃除を完了しておくこと。但し掃除は、稽古はじめと終わりに掃除をするも、これとは関係なく掃除をすること。
館長室並びに食事をする度に出入りする時は、入室する場合は「入ります」と声をかけ、退出する場合は「失礼しました」ときびきびとして言葉使いをすること。
宗家に対しては「宗家」などと呼び捨てにせず、わが館では「宗家先生」と呼ぶのが習わしである。
宗家は道場には最初から臨席しないので、宗家が道場に入場する場合は、指導員や内弟子が宗家の入場にいち早く気付き、稽古をしている場合は、「稽古やめ!」と大声で声をかけ、全員稽古をしているその場に座らせて、「宗家先生に対して礼!」と声をかけること。
内弟子の先輩・後輩の関係は非常に厳格であり、一時間でも先に入った者が先輩となる。言葉使いは、先輩は普通言葉で構わず、後輩は先輩に対して敬語または丁寧語を遣う。この際、年齢や、その人のこれ迄の肩書や地位や経歴等は一切関係ない。



●態度

きびきびとした態度を取る。
礼法を心得ること。これは入門後、追って指導する。
作法を重んじる。言葉使いもそうであるが、態度も常に他人行儀で、緊張した態度を取り、決して息を抜かないこと。
休みは二年間、全く無い。毎日が修行の連続である。



●その他

アルバイトなどをして生活費を稼ぐ者は、事前に申し出ること。
毎月、月初め五日までにその月の月謝を支払うこと。月謝の中には一切の指導料ならびに生活費なども含まれる。
コンピュータを使う場合、当館は光ケーブルを引いているので、これを利用し、またメールもドメインを取得しているので、「大東流ドットコム」のメールを貸し与える。ただしネットワークを組む時は、ハブを持参すること。
馬術を稽古する場合は、その乗馬料は実費で、一回につき12,000円(乗馬倶楽部のコーチ料を含む)を支払うこと。
支部道場や大学指導について、助手を行う場合があるので、出来るだけ車で移動できるようにする。車やバイクは、道場専用車を使用する。
近所の移動や買物、食養野菜の採取には、自転車を遣い、あるいはバイクを遣う。これ等は当館が貸し与える。
 車やバイクを使う場合は、注意を怠らず、呉々も事故がないように。また、ガソリンは自腹で入れるのが礼儀である。




【内弟子入門対象年齢】

 募集対象者は、満16歳以上で義務教育を終えた健康な男女。年齢の上限は制限なし。老若男女問わず。健康体の人であれば誰でも入門は可能。ただし優柔不断な性格は、武術家としての性格を欠ぐ。

 また、過去における武道経験・スポーツ経験の有無は一切問わず。むしろ、全くなくても良い。こうした段位【註】この手の紙切れは、何の役にも立たない)や練習歴、過去の経験や経歴は、尚道館では一切問題にされないのである。華々しかった、過去の輝かしい記録など、何の価値もないと心得るべし。
 人間は、過去の栄光に縋(すが)る生き物である。過去の栄光と言う、幻の影を追い掛け、こうした物を後生大事にしようとする。しかし、幻想もいいとこだ。

 過去を想い、過去の幻影にいつまでも縋ろうとする者は、人間としての進歩など、あろうはずがない。墓場に、片脚を突っ込んだ生きる屍(しかばね)である。大事なのは「今」だ。今、必死に修行することだ。
 また、尚道館では、その人間が如何に高学歴で、よい学閥に属した出身大学や大学院の経歴を持っていても、こうした学歴は一切問題にしない。

 尚道館は屍を養成する教育機関でないので、この辺を理解頂き、厳粛な気持ちで、厳格な審査を受検されることを期待する。また、未成年(特に18歳未満)の場合は、父母同伴の上、親子共々厳格な面接を行う。入門許可の判定は、書類審査と面接の上、厳格に判定・決定する。