人相に現われる顔という、もう一つの脳
 八門兵法人相学から言うと、「食」は口元や体型のみではなく、「眉」にも現れてきます。
 左右の眉を見れば、今までどんな境遇におかれ、どんな環境で育ったか、どんな物を食べてきたか、また今から先の運命はどう変化し、その食した食べ物の影響で、どう言う結末を辿るか、眉にはその吉・凶が克明に書かれています。
 ちなみに眉は、八門兵法人相学では『甲尊』にあたり、寿命をはじめ、身分や地位や親兄弟姉妹愛を現す処であるとされています。
 更に、その善・悪まで書いてあると言います。

 人間は現世に生まれ落ちた際、先天的には善悪はないのですが、善悪は「後天の気」によって作られます。
 すなわち、家庭や環境への影響は食べ物に由来し、善悪の源が、これに隠れていると言ってもよいでしょう。
 吉凶禍福は、おおよそ食べ物から起こり、賢愚、美醜、強弱、大小、健康不健康、寿命の長短などの、相対する偏りは「食」に定められているのです。

 昨今は『日頃の心がけ』が忘れ去られた時代です。
 『日頃の心がけ』とは、生命を育み、築き上げる宇宙の根源い置かれた「食への慎み」であり、これが崩壊すると、自らの招いた恐ろしい業(ごう/その行為が未来の苦楽の結果を導く働き。善悪の行為は因果の道理に準ずる)に一生悩まされ続けることになるのです。

 「噛めば噛むほど神になる」とは、過去、盛んに古神道などでも用いられる言葉です。
 この意味は、既に述べた通り、上顎が「火」であり、下顎が「水」を現わして、両者が噛み合わされれば、火と水が「火水(かみ)」となり、これが「かみ」、すなわち「神の由来」です。
 したがって人体は、神の「もう一つの化身」であるという事も言えます。
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