深夜のワン切り電話で困っています (31歳/女性 主婦 無料相談室宛 入会希望)
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まず、あなたの住んでいる圏内の一番近い所轄警察署の「相談係」を訪ねて下さい。あるいは電話で相談してもかまいません。相談係の担当警察官に事情を説明し、相談してみて下さい。 深夜のワン切り電話は明らかにストーカー行為であり、こうした意図的な行動によってワン切り電話をするのは犯罪です。 ストーカーは犯罪です。 2000年に『ストーカー規制法』が制定されました。 特定の個人に異常なほど関心を持ち、しつこく跡を追い続ける犯罪者をストーカーと言います。こうした行為は、1990年代後半から社会問題化し、特に映画などの影響もありこれが日本でも多発するようになりました。そこで、日本ではストーカー規制法なる法律が制定されたのです。 この法律は、ストーカー行為の規制や、被害者に対する援助措置等を定めた法律で、正式名称「ストーカー行為等の規制等に関する法律」となっていますが、結果論として、殆ど機能していません。逆に、ストーカーを付け上がらせる結果になっているようです。つまり、ストーカーの“オタク化”といえるでしょう。専門家的になって来ているのです。その後を、警察が追い掛けているというのが実情のようです。 ストーカーが、趣味が高じて……という意識がある以上、これは一種の資本主義経済社会に対する警告のようにとれなくもありません。 ストーカーの実体は、全部が全部とは言いませんが、職業的に見て、フリーターがダントツです。定職がなく、生活に不安定で、しかも暇を持て余しているという連中が、面白半分にストーカーに奔(はし)ります。迷惑な困らせ屋といえるでしょう。あるいは、大変な迷惑屋といえるでしょう。 貧富の格差が激しくなり、持てる者と持たざる者が急増している現在、これが現代社会という人間社会が生んだ申し子と言えましょう。つまり『鬼子』です。 今日の日本の政治ならびに経済政策が、「衣食足りて礼節を知る」という状態になっていないことも事実でしょう。政治の貧困とまでは申しませんが、しかし、“当たらず障らず”で、金・物・色が一部に偏っているという実情は否めません。 いま金・物・色と申しましたが、特に最後の「色」について申し上げますが、これも一部の独占者により、支配されているのは明白の事実です。“いい女”とか“いい男”とかは、はっきり申しまして金持ちの専有物です。これは、例えば京都祇園の舞子を考えて下さい。彼女達を金で自由に出来るのは富豪に限られます。身請けが出来る資格も富豪が条件です。貧乏人は遠巻きに見ているだけです。 また、JRAの日本中央競馬会の馬主になれる条件も考えてみて下さい。競走馬を“先生”と呼称される調教師の厩舎に預けることの出来るのは、資産審査などがあり、これも審査基準に合格した資産家だけです。この場合も、貧乏人は遠巻きに見ているだけです。いいものは、みな金持ちに持って行かれます。 金・物・色は貧乏人のものでないことは明白です。 また、こうした有名人の専有物です。こうした専有物が、下々に回って来ることは、まずありません。貧乏人は一生涯、こうしたものの恩恵に預かることが出来ません。 富豪や権力者、そして有名人など、彼等が決まって、まず支配したいと考えるのは、“いい女”であり、“いい男”であり、同時にグルメに浸る優雅な食生活、プール付きの豪邸に棲む生活とか、高級車を乗り回す生活であり、これに色を添えるのが、“いい女”であり、“いい男”であるからです。当然その背景には羨望を漂わせる実情があり、これを下から上を見れば、その検(み)た者は、腹立たしい羨望に対し、嫉妬を感じることは否めず、偏り過ぎれば恨みや怨念ともなりかねません。ここに、某かの危険が生まれます。持てる者と持たざる者の格差とは、こうした精神的な劣等感にも横たわっているのです。この羨望の塊が、鬼子といわれる連中の正体です。過激派の意図もここにあり、その目的は大資本粉砕です。天地が覆される逆転劇を狙っているのです。貧富の格差が大きくなれば、その意識は民主の名で一人歩きし、これから日本には不穏な動きが漂います。 何事かにこだわり、そこに集中して、専門的知識を持つというのが鬼子の正体であり、これが情報化社会が生んだ“オタク化”の元凶と言えましょう。一芸に秀でているというのが、オタクの専売特許です。 “オタク化”とは、鬼子の姿を変えた別称とも言えます。 しかし、こうした鬼子の行為に迷惑だとも行ってはおれず、今日でも減少する傾向はありません。ますます殖え続けるばかりです。こうした関係の書籍も多く出版されていますが、それを読んだからといって、何の対策にもならないし、防護策にもなりません。 そして、これらが悪質化の傾向を辿っているのは否めません。今後、ますますエスカレートして行くことでしょう。 この元凶を招いたのは、まず、今日に見るような情報社会に問題があると思われます。情報過多状態に陥ると、当然、他を揶揄(やゆ)する行為はエスカレートし、それに同調者を求める行為まで沸騰してきます。その最たるものが、「2ちゃんねる」の掲示板に書き込まれる、匿名でOKの“便所の落書き”の誹謗中傷です。身に覚えがないのに、これに迷惑している人も随分いると思われます。また、こうした支持者に熱狂的な信者が居て、「2ちゃんねる」を支えている現実です。 それは例えば、極悪犯罪を犯しながら、それに熱狂的な支持者が付くというような、あたかも宗教の教祖を崇めるような行為です。こうした支持者に“オタク”という入れ揚げ屋がいることは否定出来ません。 現代社会という、この社会が齎した社会背景という時代の側面も、眼をつぶっていては、何一つ解決策は生まれません。 衣食足りて礼節を知るという礼儀の世界を出現させるのであれば、まず、自由と平等の、今日の日本人が酷く誤解している、こうした解釈に対する正しい意識を説くことが大事です。偏った意識で、自由と平等を論じてはなりません。偏れば、誤解して解釈された自由と平等がストーカー行為への自由と平等になってしまうからです。 では、衣食足りて礼節を知る状況は、どういう状況を言うのでしょうか。 それは、まず当分の喰うに困らない「糧」があり、そしてそれを支える「職」がある状態をいいます。糧がなく、職がなければ、いったい人間はどうなってしまうのでしょうか。 あなただったら、どうしますか。 正常な神経の持ち主ならば、厭世観に陥るのではないでしょうか。世をはかなむ気持ちが起こるのではないでしょうか。 そうなると、どうなりますか。 まず、自殺を考えるでしょう。 次に、どうせ死ぬのなら……となって、せめて死ぬ前に……なんてなって、自分の趣味に興じるのではないでしょうか。 全部が全部、こうなるとは限りませんが、心理学的に検(み)て、人間が追い詰められると窮鼠(きゅうそ)になることは事実です。 諺(ことわざ)に、「窮鼠猫を噛む」というのがあるのを、ご存知でしょう。 これは追いつめられた鼠が、猫にも食いつくということの譬(たと)え話です。絶体絶命の窮地に追いつめられて、もうこれ以外に道がないと思い込んでしまえば、必死になって弱者でも強者に立ち向かいます。猛烈な勢いで、突撃してきます。ここが一番恐ろしいところです。 本来ならば、衣食足りて礼節を知るという礼儀正しい人が、糧と職を失い、この理由だけでストーカーに奔ることも珍しくありません。 また、これも全部が全部とは言いませんが、フリーターの生活に喘(あえ)いでいる人の中にも、ストーカー擬いのことをしている人は多いようです。 更には十分な糧と職を持ちながら、ただモテないという理由で、ストーカーに奔る、一見、裁判所が定義する“善良な市民”という仮面を被った人もいるのです。こうなると、何が正しいのか全く解らなくなります。 筆者の知っている人の中には、「悪書追放」などといって、青少年からエロ本の類を取り挙げて回る主宰者や、その運動員の幹部の中にも居ましたし、また宗教団体や政治団体、更にはブライダル産業の結婚相談員の中にも、愛欲に狂ってストーカーに奔り、相手に嫌がらせをしたという人まで居ました。 つまり,今日の情報化社会とは、自己主張の強い社会で、いつのまにか日本人は「へりくだる」とか、「ゆずる」ということを忘れてしまったように思えるのです。こうした我が儘社会になれば、当然、全体的に社会が“オタク化”に偏るのは免れず、以降、よい方向に傾くということはありません。ますます体たらくを続けます。 この実情を踏まえて、現代の防禦策ならびに防衛策が必要でしょう。 情報化社会はかつては「三化け」時代の象徴として、1990年代に持て囃されました。つまり、情報化と高齢化、それに国際化の三つを指します。 これが誤って解釈された自由と平等に連結され、現代社会は益々迷走するばかりです。こういう側面にもストーカー行為は巣食っていますので、何が得策かということを一概に決めつけず、日本人は日本国憲法で、自らの生命と財産を護る権利が与えられていますので、警察署の相談係を訪ねて相談してみるのも悪くはないでしょう。何処まで親身になって相談を受け付けてくれるのかは、はっきりしませんが。 少し前、相談係の警察官が被害者の苦情を受け付けながら、警察署の慰安旅行に出掛けて事件の遭遇したという醜態がありましたが、あなたとお住まいの所轄警察署がそう言う警察官の集まりでないことをお祈り申し上げます。 あるいはNTTの116番に相談して、ワン切り電話の相手のコール状況を調べてもらうのもいいでしょう。 また、昨今の電話機には10件とか20件という単位の、不在通知を感知し、その掛けた相手の電話番号を記憶する物も出ていますので、そうした機種に取り替えるのも一つの方法であり、この記録などをメモしておき、警察に相談に行くというのも一つの方法です。電話の主が特定出来れば、警察は捜査に動きます。 かつては、こうした機能がついていない電話機が主流でした。また付いていても、公衆電話からのコールは記録しないというのが殆どでした。ところが、今日ではこうした対策もとられるようになり、これが頻繁に同一者からあると分かれば、一切を記録して裁判所の「発信者の逆探知命令書」を警察に提出することも可能になり、犯罪性のあるもには警察官も動きます。 他にも、警備会社に依頼してワン切り電話の主を捜査することも出来、こうしたことは興信所や私立探偵事務所でも取り扱っているところがあり、警察以上にノウハウを持っているところもありますので、問い合わせしてみるのもいいでしょう。 ストーカーは暴力です。 暴力に屈しない毅然とした態度をとれば、今日の恨みや嫉妬から起こる犯罪の類は減少するのでしょうが、これに「しかたがない」などと泣き寝入りする人がいるから、またこうした愉快犯を付け上がらせてしまう結果が生まれます。 ワン切り電話も、ただのワン切りと思わず、許せば、やがて人が殺傷される重大事件にも繋がるという危険性が孕んでいるというのを理解した上で、あたなの毅然とした態度で対処することがいいでしょう。 ちなみに、うじうじで、意気地なしで、すぐ物事に動揺して混乱し、意志や信念が弱い人はストーカーにカモられ易いようです。 正しいことは正しいと判断した上で、間違っていることは間違っていると、その筋道を通すことの出来る人を、「毅然な人」と表するのです。 |