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●霊的波調と子孫への影響

 人間は修行において、人格と共に霊格を高めていきますと、肉体対霊体の分離比は、やがて肉体領域が減り始め、霊体領域が殖え始めます。つまり「半身半霊体」という最も神の体躯(たいく)に近い、理想的な体躯となるのです。

 半身半霊体は《肉体(生体)》対《霊体(命体)》の比が「」であり、阿鼻叫喚(あびきょうかん)の苦に堪えられない死から解放され、人間の持つ死生観(死に方や、生き方を考える現世の解決法)を超越する事が出来るのです。

 常人は肉体が「主」で、霊体は「従」です。その分離比は「」である事は既に述べました。
 肉体の心の性質は、性悪説であり、波調が粗く、低空飛行が好きで、楽を好み、不摂生が好きで、その気の性質は常に荒々しく自己主張が強くて好戦的です。我(が)があり、損得勘定があり、欲望を露(あらわ)にします。そして欲望がある故に、迷い、苦しみ、悩み、焦りを内包しています。それが恐怖心に繋がり、生に固執するイメージを心に刻み込むのです。

 一方、霊体の心の性質は性善説であり、波調が細かく、気高く、その気の性質はやさしくやわらかいのです。元々は慈悲と愛に包まれています。無我であり、無私であり、欲望を持ちません。したがって恐怖心はなく、迷いや悩みは苦しみも一切なにも持ちません。
 こうした両者の性質を共に取り込んで、分離比を「」にしたのが半身半霊体(はんしんはんりょうたい)です。こうした体躯が死生観を超越するのです。但し、これは修行が伴わないとその限りではありません。

 さて三代前に遡(さかのぼ)り、分裂病患者や酒乱といわれる一種のアルコール依存症患者には、必ず事故死で非業の死を遂げた人がいるはずです。こうした人の霊的波調と、現在その子孫として生きる分裂病患者は、遺伝子的な構造が非常に似ている為に、空中で浮遊する先祖の唸(表象は意識)の影響を受けやすく、そうした苦悩が自分の霊体を重なって、精神障害が現われるのです。要するに自分の神(しん)を乗っ取られた形になるのです。これが先祖の霊魂の憑衣から起こった霊障でする。

 そして霊体を構成する霊魂は、宇宙の存在する限り永遠であり、また人間が存在する限り分裂病は百人に一人の割合で永遠に継続される病気なのです。
 したがって、これは血統による遺伝ではないにしても、遺伝子構造が近ければ、結局空間に浮遊する同波調を出す唸(霊的エネルギー)に捕まって、自我を潰す隙(すき)を作ってしまうということになります。

 ちなみに「隙」とは、事象空間的には物と物との間の少しあいている部分の「隙間」を指し、時空的には乗ずべき機会を指し、気の弛(ゆる)みや油断を指します。また隙は「透き」あるいは「空き」を指し、侵入可能なスペースの余地のある事を意味します。

 憑衣現象は、こうした「隙間」を狙っての外邪の侵入合戦と考えれば分かりやすいと思います。非実在界の現世にはあらゆる波動で満ち溢れています。隙あらば、想念から発せられた人々の悪想念は様々な周波数で同じ波調の人を探し求め、自我を潰した人に、隙あらば、潜り込もうとします。
 そして霊体そのものは、肉体を持ちませんから、同じ波調の子孫に取り憑いて、自分を恨み(多くは臨終の際の不成仏の訴え)の自己主張しようと企てるのです。
 こうした一瞬の隙を突かれて自我が潰され、発病するのです。

 したがって「誰に唱えるか」「誰に呼び掛けるのか」「誰に語るか」ということになります。
 それは分裂病患者が共振・共鳴し、同調して捉えてしまった先祖の唸(ねん)に対してです。この唸を解きほぐさない限り、この病気の解消はなく、何度でも繰り返し再発するのです。

 さて、こうした唸に語る相手は、先祖の非業な死を遂げた先祖の霊体である事を認識して下さい。この霊体は霊魂として、分裂病患者と重なり、今も共振・共鳴し、同調している憤懣(ふんまん)やる方ない無念を露(あらわ)にしているのである。

 精神分裂病患者は純粋で感受性の強い人です。遺伝子構造的にも外圧や雑音(乱れた波動)を濾し取るフィルターが貧弱にできています。その為に、世間様によって自我が押し潰されるとき、また、自らの霊的波調も乱れるのです。その乱れた双方の波動(θ波同士)が重なりあったとき、神は乗っ取られて、分裂病が発生するのです。
 これが、先祖と因果関係を持つ精神分裂病患者の実態です。



●憑衣と憑霊の実態

 非業(ひごう)の死を遂げた先祖は、苦悩を訴える為に、その恨みの唸(ねん)を載せて、波調と共に空間を彷徨(さまよ)います。霊体を形作ってきた霊魂は、死後、火葬され物質となった自分の遺骨には、物理的な作用を求めず、生きている、同じ波調を持つ人間の魂と結んで、神(しん)に宿り、その人の肉体に訴えて、それをコントロール(事象は躁鬱病)しようとします。不可解な行動に出る場合もあります。これが分裂病です。

 さて、神(しん)を乗っ取られる場合、二つのケースがあります。
 一つは、神(しん/霊魂)が気(心情)によって固く精(肉体)と結んでいれば、神は同調波調(低級・高級を含む憑衣霊あるいは宇宙からのメッセンジャーである宇宙霊)と協力して、パラノイア(paranoia/偏執病あるいは妄想症)現象を起こします。この場合、先祖の霊とは無関係です。
 パラノイアは、体系立った妄想を抱く精神病の一種で、妄想の主体は血統・発明・宗教・訴え・恋愛・嫉妬・心気・迫害等で、四十歳前後の男性に多いとされる病気ですが、分裂病のような人格崩壊はありません。宗教家等に多い病気?と言われます。現代精神医学では、神懸(かみがか)りによる預言者も、予言者も、超能力者も、この類と言われています。

 そしてもう一つは、気が弱く、神(しん)と精がバラバラだと、生きた人間の神は眠らされ、肉体は同調波調に奪われて支配され、人格崩壊が起こって精神分裂病になります。したがって分裂病は霊障(れいしょう)であり、先祖と密接な関係を持ち、精神と肉体の剥離(はくり)がこうしたものを齎します。

 自然界には、総てに「気」が存在しています。素粒子も「気」からなります。素粒子を、もうこれ以上分割できないというところまで突き詰めて行って、そこで発見された、「実は何もなかった」と言う発見こそが、「気」の正体であり、実際には、「気」は肉眼で見る事が出来ません。

木の葉のキルリアン写真。葉の先端は切り取られているにもかかわらず、その部分から何等なのエネルギーを放射している。「気」は東洋哲学の一つで、宇宙・自然・生命を成り立たせている「根元的生命力」とされる概念を構成する。

 ところが万物は気を放射し、その存在感を訴えています。特に、動植物はこれを各々の形で、その波調に載せて放出します。
 人間の五官は、こうした気の象形化したものを可視的に見て、それを脳で感じているだけのことに過ぎないのです。目は象形化した形を見、鼻はその匂いを嗅ぎ、耳はその音を聞き、手はその形を触れ、口はその味を味わいます。総て、神経系の脳に感じた結果に過ぎないのです。

 霊気と言われるものも、これに入ります。この霊気は肉体を構成する精気に対峙(たいじ)した気です。一種の素粒子ですから、ちゃんとした波動あるいは波調を持っています。
 こうした霊気に対し、見える人も少なくありませんが、常人には見えないのが普通です。それはフィルタが阻止しているからです。一種の正常な脳波を護(まも)る為のバリアであり、これがそうした様々な宇宙からの波調を防禦(ぼうぎょ)しているのです。
 したがって見えたり、聞こえたり、臭ったり(死臭等であり、異次元からの臭気波動)というのは、一種の過敏状態であって、異常と言えます。

 勿論、世の中には条件付でこうした霊気が見え(幻覚とは別)、霊聴(幻聴とは別)が聞こえ、霊臭が臭えるというような人が居ますが、超常能力を安定させることは難しく、またコントロールが難しのです。霊体的に質が高まり、半身半霊体に近づかなければ、こうした超能力バランスは歪んでしまいます。
 そして、超常能力が安定すれば聖人の域に達します。
 しかし人間として生まれた以上、生まれながらにして聖人であるはずがなく、こうした域に達しうることができるのは、常人には及びもつかない修行の結果だと言えるでしょう。

 さて、憑衣のメカニズムは、神(しん)が気によって固く精(せい)と結ばれていれば、神は憑衣霊と協調して、某(なにがし)かのメッセージを伝達しますが、気が弱く、精と神がバラバラで結ばれていなければ、神(しん)は眠らされ、その人は憑衣霊から支配されてしまうという現象を起こすのです。そして前者をパラノイアと言い、後者を精神分裂病と言うのです。

 本ページでは精神分裂病を扱うことにします。
 分裂病は一種の憑霊現象です。それも先祖に関わる憑霊現象であり、この場合、その他の低級霊等が憑衣した分けではありません。ここが神懸(かみがか)り等というパラノイアとは異なり、憑衣現象とも少し違う点です。

 動物等の低級霊(実際に動物霊は単独では人間に取り憑くことは出来ない。多くの場合は人霊が変異して動物霊に成り済ましている)が人間の神を眠らせ、その人に取り憑(つ)く場合の条件は、その人の霊的波調が粗い場合に起こり、分裂病ではなくても日々不摂生を繰り返したり、暴飲暴食に趨(はし)り、特に食肉や乳製品、薫製(くんせい)食品や肉加工食品等の動物性蛋白質を多く摂取する人に顕(あら)われ、自己の持つ粗い波調と、外界の粗い波調の低級霊が合体する時により起こり、これが憑衣現象であり、先祖霊が取り憑(つ)く憑霊現象の精神分裂病とは区別されます。

 しかし精神科では、こうした類も分裂病として扱うことが少なくありません。したがってこれは、全くの誤診でなのです。
 精神科医が、死後の世界や霊的現象を認めない場合、科学一辺倒で解釈され、誤診を招きます。

 また一方で、物理学が量子力学の素粒子の実体(可視的には何もないとされる「何もない」というものへの探究)に迫っているのに対し、現代医学は旧態以前の唯物論弁証法で物事を考え、ニュートン以前の古典物理学に固執する実情が見られます。
 精神科医も、こうした思考で精神医学を展開している医学者が少なくなく、間違った診断を下す医師も少なくありません。あるいは意図的に、入院や通院を長引かせ、医商として、医療法人を作り上げ、商魂巧みな商売をしているのかも知れません。

 とにかく高額医療の申請が適用されても、精神病院への入院となりますと、月々相当な入院費治療費が掛かり、借金漬けになって入院数ヵ月後には破綻(はたん)しまうのは必定のようです。この為、早急に分裂患者を恢復(かいふく)させて、貧困の禍根は断ち切るべきなのです。

 繰り返しますが、精神分裂病(現代的に言い換えて「統合失調症」と呼ぶ。こ発病率は、世界のどの民族でも変わらず、およそ1%という興味深い事実がある)は、憑霊現象(憑衣も含む)である事は間違いありません。この憑霊現象を、脳は肉体の一部と考え、あるいは神経系は肉体の一部と考え、薬物の投与で恢復に向かわせるか、あるいは患者自身に「悟り」を促し、それを理解させるかの二つに一つなのですが、前者を選択した場合、その恢復の見込みは生涯を通して、非常に薄く、まず、一度薬物投与が始まると、薬なしでは不安な状態になってしまいます。

 こうした「生涯」という長期的な単位で、恢復への展望を無視した場合、幾ら、様々な抗うつ剤を投与しても、効果のあるのは初期のうちだけで、後期になるに従って、段々効き目がなくなります。抗うつ剤投与から、電気ショック療法(1938年にイタリアのツェルレッティとビニが開発した治療法で、精神疾患患者の頭に電極をあて、脳に通電してけいれんを引き起こすというもの)や、作業療法に至るまで、これらのものは余り期待できず、憑霊現象を長引かせるだけとなります。

 一番理想的なのは、精神科の治療を受けつつ、霊導法を行うことが最も良い方法で、精神科医療と平行で行う事を御薦めします。
 また霊導法を実践する時は、まず霊的構造をよく理解しなければなりません。古い戸籍を取り寄せて、三代前、四代前の先祖を調べる事は可能ですので、市役所の戸籍掛かりに行って、戸籍抄本を取ってみるもの良い方法です。

 そして、あくまで三代前までの非業の死を遂げた血縁による先祖の苦悩が、その遺伝子構造を同じくする子孫の憑衣する現象であり、低級霊憑衣の霊障とは異なることを認識しておかなければなりません。
 したがって癒(なお)し方も違ってくるのです。

 さて、一般に分裂病には、進行麻痺や老年痴呆等のように、身体面における、あるいは器質面における決定的な変化は見られないとしていますが、これは大きな誤りです。しかし表皮的に見て、一時的な身体が冒されたような状態には映りません。こうした事が身体的な変化はないとするものでしょうが、実は分裂病患者ならびに、その他の精神障害者は、数々の訴えを行なっているのです。

 
分裂病患者が訴える身体について状態
1. 頭に何か詰まっていて、考えが纏(まと)まらない。これに誰かが邪魔する。(人格分裂)
2. 自分の躰(からだ)でありながら、自分のものであると言う実感がない。別の人間が、もう一人いるようだ。(中枢神経系を異常知覚)
3. 躰に電気のようなものが疾(はし)って、ビリビリする。(中枢神経系を異常知覚)
4. 脳髄の罅(ひび)が入り、前頭部が空洞になっている。(中枢神経系を異常知覚)
5. 入院している病院で、毎日変なものを食べさせられているのではないか。(被害妄想)
6. 自分の貌(かお)が段々歪(いびつ)になって来ている。(中枢神経系を異常知覚)
7. 躰の右半分が自分で、左半分が他人のように感じる。(中枢神経系を異常興奮)
8. 地面の下や、地下室(地下室がないのに)から声がする。水溜まり等の水の底から声がする。また、誰か遠くの人が、自分の悪口を言っている。(幻聴)
9. 茶色の仏像のようなものが見える。(幻覚)

 以上は正常な人の理解を絶するような体験談であり、こうした千差万別な症状に対し、従来の臨床的な視覚や聴覚等の五つの身体感覚系以外からの情報が、まさに自分自身を混乱させている状態が起こっているのです。
 一方で、身体は冒されてないと言い、また他方で冒されていると言うこの矛盾は、どういうことなのでしょうか。

 こうした事を考えて来ると、こうした現象は、時間と空間における病理的現象であり、また、その現象の根源には、憑衣・憑霊現象と言うものがあって、客観的な時間と空間の意識は充分行こなわれているのにも関わらず、主体的な変質に対する問題点は、何一つ解消されていないと言うのが実情です。
 しかし、精神医学の分野では、これらは幻聴であったり、幻覚であると一蹴(いっしゅう)されているのが、今日の精神医学界の現状です。これこそ、主体的な身体が無慙(むざん)に迫害され、無慙に翻弄(ほんろう)されている精神医療現場の実情ではないでしょうか。

 私たちは、「身体」あるいは「人体」と言うと、直ぐに、胃や腸やその他の内臓等を思い浮かべます。つまり、医学常識である解剖学的な医学認識を許(もと)に、旧態依然とした、デカルト(フランスの哲学者で、「考える自己」を見出し、そこから神の存在を基礎づけ、外界の存在を証明し、「思惟する精神」と「延長ある物体」とを相互に、独立な実体とする二元論の哲学体系を樹立した)的二元論をもって、精神に対する肉体と言うような抽象的発想を抱きます。更に、堅固に対象化された人体の組織隊を思い浮かべ、サルトル(フランスの文学者・哲学者で、実存主義を唱えた)に習って、人間の持つ人体構造を、「肉化された主体性」と言う呼称で、人体をイメージします。しかし、このイメージ認識は間違いです。

 したがって、分裂病で冒されている身体とは、解剖学の言う身体ではなく、時間と空間を超越した物的対象外の意識体を指すのです。精神病の発生は、外科的な治療を必要とする怪我や事故と同じような起因によって発生しますが、病因は全く違った次元に存在しています。何故なら、それは霊魂と言う意識体であるからです。



●憑衣と憑霊の発生する場所

 まず、アル中患者として憑衣される場所は、夜の巷(ちまた)の盛り場であり、居酒屋やスナックで、ひょいと背中の真ん中辺りの「風門」(ふうもん)から入り込んできて、「気門」(きもん/毛穴を通じて体内の温度調節をする出入口の蓋)を閉じて、頸椎(けいつい)に添って昇り、「亜門宮」(あもんきゅう/ここは「亜門」といわれ、十四経絡の督脈の経絡線上にあり、陰陽や体温調節機能があり、ここが狂うと精神障害を起こす)へと到達します。亜門宮は、冷熱の温度調節をするサーモスタットの機能が有り、ここが破壊されて侵入した邪気(肉体を持たない意識)が居座ります。

 宇宙に存在する総てのものは、陰陽の磁場を持っています。磁性を帯びる磁場からは、波動エネルギーが発散されます。人体も陰陽の両磁性を、左右それぞれに持っています。
 《東洋医術》で言うところの「気の流れ」には、磁気流と言うものがあり、上下左右を十四経絡として隈(くま)無く循環しています。これは「気道」と言われるプラナーとは別の連絡経路です。

 そして、これ等の磁気流は、《心の動き》によって発せられる「想念波動」に支配されます。想念の持ち方次第で、陰気である「恐れ」や「怒り」や「恨み」や「憎悪」を持つマイナスの磁気流に変わりますし、また陽気である「歓喜」の転換させますと、プラスの磁気流が現れて来ます。

 マイナスの想念波動が強い程、磁気流の陰圧は高まりますし、逆に、プラスの想念波動が強い程、磁気流の陽圧は高まります。

 ここで磁気流の陰圧と憑衣・憑霊現象について説明を加えましょう。
 陰圧は負のエネルギーを構成する想念構成要素ですから、この陰圧を強く持っている人は、周囲の元気な人まで巻き込んで、元気な人の陽圧を奪い、その正のエネルギーまで吸い込んで低下させてしまいます。
 更に、こうした陰圧が高まると、憑衣・憑霊現象が起こり、生霊や死霊やその他の悪霊の餌食となり、負のエネルギーの過剰充電状態に陥ります。

 負の陰圧磁気流は、左手の掌(てのひら)から侵入し、上腕に沿って左肩に至り、その時に極度な緊張や疲労があると、後頭部へと達します。ここは東洋医術で言う「亜門宮」(あもんきゅう)であり、ここには温度調節器機能があります。
 この時、緊張や疲労等のストレスによって、胸腺(前縦隔上部で胸骨の後側にある扁平葉状の器官)の活動が低下し、否定的であったり消極的であったりすると、この発生した負の磁気流は、更に第二頸椎から脊髄を通り、太陽神経叢(たいようしんけいそう/脊椎動物で、神経の分枝・吻合によって形成される網目状の構造)ならびに副腎(腎臓の上内端に接し腎筋膜に包まれる内分泌器官)へと侵入します。

 問題は胸腺(きょうせん)の活動ですが、胸腺は小児期によく発達し、思春期以後退化する特性を持っている為、骨髄に由来する前駆細胞(前T細胞)を受けて、免疫機能を持つ胸腺リンパ球(Tリンパ球)に分化・増殖させ、血行を介して全身の末梢リンパ組織に送る働きがあるのですが、思春期を境にして退化すると言う特性を持つので、この時期に、心身ともに陰圧が高くなった状態にありますと、憑衣・憑霊は避けられないものとなります。

憑衣・憑霊のメカニズム。マイナスの磁性の陰圧が高くなると、憑衣・憑霊体質のなってしまう。最初は左手の「労宮」から侵入する。労宮は掌の中で最も特異なツボで、気は足の裏の「湧泉」(ゆうせん)から大地の気を吸収し、それが昇って、貌(かお)と掌から放出されている。しかし陰圧が高くなると、負の陰圧磁気流は左手の労宮から侵入し、経絡を経て意識体である想念波動を狂わせる。

 陰陽は各々の圧力によって、陰圧や陽圧をコントロールしている為、陰圧が高くなってしまった場合は、憑衣・憑霊され易い状態となります。陰圧が下がっている状態を如実に顕(あら)わすものが、「肩凝り」や「腰痛」であり、人体がこうした状態にある時、憑衣・憑霊される隙(すき)をつくる事になります。

 その隙(すき)をつくる時間帯は24時間のうち、最も多いのが午後10時以降であり、昔はよく「女は午後10時までに寝れ」という諌言(かくげん)があったくらいです。それは午後10時以降に、邪気が憑衣・憑霊することを如実に物語った諌言であったからであり、同時に、男性より女性の方が感性的な感覚器が卓(す)ぐれている為に、憑霊されるのは圧倒的に女性の方が多いようです。また、男性が憑霊される場合は、女性的な内向型に人に多く見られます。

 陰圧が高まれば、負の磁気流は外邪の侵入に対して無防備な状態となります。この無防備をついて、外邪は背後の風門に忍び寄り、此処から侵入して頸椎を昇って亜門宮に達します。亜門宮を占領した後、人体の温度調節機能を破壊して、麻痺状態を齎し、痺(しび)れ、熱感、冷感、圧迫感等の様々な意識を憑霊した相手に派生させます。

 こうした症状が、神経症やノイローゼであり、不安定な情緒は益々激しくなります。更には、癌疾患や生理痛(月経に伴って下腹部に起る疼痛は一種の憑衣・憑霊現象)等の症状も併せて余痛を齎すのです。
 特に女性の場合の生理痛は、陰圧や陽圧のコントロールが不充分な為に起こる病気であり、骨盤痛・腰痛・下腹痛・悪心・嘔吐・下痢・不快感など、月経に随伴(ずいはん)する疼痛です。

 これが更に進行すると、月経困難症となって、骨盤内に器質的変化のない原発性が見られ、これを本態性月経困難症と言います。また困難症の中でも、悪質なものは子宮内膜症、骨盤内炎症、子宮筋腫、あるいは子宮内避妊具の使用等によって起こる続発性月経困難症があります。そしてこれらは、陰圧が高まったから、外邪の侵入を許し、憑衣・憑霊現象の一種と考えられます。