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●集団洗脳によって不幸の深みに嵌り込む法則 では、ここでマルチ商法の集団洗脳の模様を、具体的に公開してみましょう。 マルチ商法は、会員がこうした中堅会員に進級し、ある程度の餌(えさ)が投げられたとき、その正体を顕(あら)わします。ここから本格的な洗脳が始まるのです。 その正体とは、洗脳商法や催眠商法を主体にした「ねずみ講式販売方法」であり、説明会という場を設けて表彰式や研究会が始まります。 最近は、以前に比べて非常に巧妙になり、在庫を抱えない商法が増え、インターネット上でも誇大宣伝を行っています。販売種目の中心は、サプリメント等の健康食品が断トツで、化粧品、洗剤、家庭日用品等で、新種は新興宗教擬いの奇蹟や健康法、髪毛等を謳ったもので、あるいは「ガンを治す健康食品」等と題した物品販売です。あるいは、自衛隊員や警察官を対象にした建売住宅の販売や車の販売等の公務員に食い込んだ新手の、巧妙なマルチ商法(同僚に斡旋するとその見返りに原品か、それ相当の配当金がバックされる)も登場してきました。 説明会場には、大ホテルや公共施設のホール等があてられ、入口やインフォメーションの受付には、スーツ姿の男性会員に合わせて、ドレスアップした女性会員が陣取り、始めてくる人、あるいは現会員に誘われてやってくる人に「ようこそいらっしゃいました」等と笑顔で迎えてくれます。また早速、握手攻めに遭(あ)い、名刺交換が行なわれ、次々に幹部と思える人を紹介されて、初めて来た人は一瞬面喰らいます。何も知らない人なら、それだけで感激し、集団催眠術の罠は益々高まっていきます。 会場に入ると、杲々(こうこう)と照明器具が光を放ち、ロック音楽がガンガンと鳴り響き、世界各国の万国旗が飾られ、インターナショナル的な雰囲気を醸(かも)し出しています。 前方の雛段(ひなだん)には、商品が山のように積み上げられ、その周りには外国旅行の全紙版の引き伸ばされた写真が、何処かの写真展に紛れ込んだかのような錯覚を覚え、それが所狭しと飾られています。 それを紹介者達は見せて回り、「ここに写っている写真の人達は、本社の配当金で1ヵ月で何千万円もの配当金を受け取り、外国旅行をした人達です。もう既に、外国に別荘を持っている人もいるのです」等と、夢のような説明をします。既に、集団心理を逆手にとった催眠術は開始されているのです。 そして、じわじわと巧妙な洗脳が始まります。 洗脳の一大イベントは、高額配当金を受け取る会員の表彰式です。しかし、その前にデモンストレーションがあります。それは主催者の、計算によって仕組まれた説明会です。 突然、煩(うるさ)かった音楽は止まります。照明が落とされます。そしてスポットライトが、ある一人の男(あるいは女)に当てられます。その男は、手にハンドマイクが握られいて、「こんばんは!」と会場に向けて、大声で叫びます。会場からも「こんばんは!」と返事が返ります。 男は、「幸せですか!」と大声で会場に問いかけます。会場からも「幸せです!」と大合唱が返えります。 次に男は、「ハッピーですか!」と、形を変えて問いかけます。すると会場からも、「ハッピーです!」大合唱が返ります。 更に男は、「非常にハッピーですか!」とエスカレートした事を問います。これに応えて、「非常にハッピーです!」と大合唱が返って来ます。 男は、今度は聞こえない振りをして、「えッ?」というようなジェスチャーをして、「もう一度、大きな声で」と促します。会場はこれに応えて「非常に、非常にハッピーです!」と大声で、更にエスカレートした答えを返します。 そして何処からともなく拍手が起こり、やがて次第に周囲からも拍手が起こり、その拍手の渦は会場全体を包みます。男は、一旦会場の拍手を制しつつ、おもむろに、説明に用意された黒板に向かいます。軽やかな喋り回しで、軽快に黒板に乱暴な字を書き殴ります。手慣れたものだと、そんな印象を受けます。 言葉には、英語が随所(ずいしょ)に盛り込まれ、この男の外国暮しが長かったような印象すら与えます。英語の発音は、日本人のものではないような錯覚を抱きます。既に、洗脳は開始されているのです。 理論的であって、しかし、何処か矛盾するのですが、英語が混じっている為に、常人には、これが中々見破れません。男は、英語の日本語を交互に遣い、経済理論や商取引理論までもを展開させます。そして会場にいる誰もは繰り替えし聴いているうちに、いつしか押し捲られ、つい、その中に取り込まれてしまいます。 こうした説明が終わった後、何人かの男女の功労者が紹介され、紹介された各々は自己紹介を始め、普通の主婦であったり、商店主であったり、一般サラリーマンであったり、あるいは中には歯科医であったりします。順に、分厚い封筒に入った高額な配当金が渡されます。 たった今、黒板に字を書き殴り、声高に説明していた男は、「本社の製品を、パートでも月に百万二百万と稼ぎます。誰でも平均してそのくらいはあります。そして普通の主婦であった○○さんは、既に自分の下に千五百人の組織を造っています。○○さんは普通の主婦ですよ、普通の主婦」と念を押します。 それを聞いている、今日始めて来た人は、普通の主婦で百万二百万稼ぐのであれば、もしかしたら、自分にでも出来るのではないかという錯覚を抱きます。 そしていよいよ、ボーナス配当金が授与される山場が来ます。 「○○さんの今月のボーナスは五百万です!」男は大声でマイクに向かって叫びます。 会場から響動(どよ)めきが起こります。そして男の言葉は、矢継早(やつぎばや)に、「人生は一度しかない。あたたもやってみないか。あなたもやれる。否、あなたならやれる!現にこうして、○○さん五百万のボーナス配当を受けた。人生は愛だ。愛があるから幸せなんだ。今、決断しよう。成功のチャンスは今、あなたの前にある」男の言葉は脈を打つように乱暴になり、些(いささ)かの精神訓話が散りばめられ、気付いたときには涙声に変貌(へんぼう)しています。 男は繰り返えします。 「人生は愛。人生は決断。人生はチャンスをものにしてこそ、成功者。世の成功者といわれる人は決断によってチャンスをものにした人である!」 男が胸を張ってこう言い終わったとき、また何処からともなく拍手が巻き起こります。そして再び拍手は渦となります。 巧妙に人為で作られたこの演出劇は、マルチ商法特有の組織造りで、一旦はこれで幕が閉じますが、これで終わりではありません。 これに始めて参加した人は、「やってみよう。是非やってみよう」という決心がつくまで、今度は小グループに分かれたリーダーを中心とする勉強会が仕掛けられてます。 会場の出口には、入会の特設会場が造られ、もうそこでは、入会者の受け付けを行っています。商品購入のために直ぐに金を払う人もいれば、持ち合わせの無い人は署名だけで、後日払込の契約をして帰ります。気付けば、もうこんな形になっています。 出口では、会場には会員の誰かに誘われてやって来た言う人だけ狙って、特別チームが組まれ、初めての人を逃がさない為の勉強会が企てられています。そして、初めての参加者も、残らず取り込まれしまいます。その取込み率は、サラ金の回収率と同じ99%と言われています。 次に「末期症状運命症候群」です。 この段階までくれば、深刻化も激しさを加えますが、これには加速度がつき、渦の中に呑み込まれるようにアッと言う間の出来事となります。こうなれば、もはや救われる道は殆ど無く、手遅れというべきでしょう。 |
末期症状運命症候群
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1.
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末期症状として医者から見放された。後は死を待つだけ。 |
諦めと絶望
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2. | 不服として上告が続いているうちに、被害者が植物人間になった。あるいは被害者の自分が同じ状態になった。 |
死と絶望
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3. | ホームレスになって一年以上が経過した。以降、四年、七年の節目があり、これを経過することに常識人には戻れなくなっていく。 |
人間であることの忘却
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4. | 破産宣告後、生活費を得る為に暴力団経営の闇金やシステム金融、090金融に手を出し、結局、腎臓を始めとする臓器を切り売りしてしまった。そして夜逃げ決死行。しかし逃げ切れないようだ。 |
金銭の為の金策
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5. | ホームレスをしていて病気になった。病気は重く、長引きそうだ。歩行困難にも陥っている。 |
身体不自由
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6. | 子供が殺人または放火などの犯罪行為を犯して有罪判決を受け、刑務所行になった。あるいは自殺を遂げた。 |
子孫の切断
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7. | 離婚が成立し、慰謝料と養育費の支払義務が生まれた。しかし裁判は女性保護の立場から元妻に有利に働き、高額な金を要求された。高額であるので払え切れなくなり、結局高利の金に手を出した。こうした離婚は、資産家であれば問題を発生させる危惧はないが、平均的サラリーマンの場合、自分自身の死活問題であり、やがて金銭的な諸問題が次から次へと起こる。まさに末期症状である。 | 払えると思ったこれ等の金が、払えなくなるのである。これを軽く見てはならない。原因は異性と恋愛が始まった時に起因 |
8. | 結局、働くことを諦めてしまった。 |
失望と諦め
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9. | 引っ越し後、一家は離散した。 |
方角への侮り
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10. | 逃げた者を探し出し、復讐として殺してしまった。 |
報復願望
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11. | アパートの家賃も払えず、諸国放浪のルンペンになった。ホームレスの仲間にも入ず、一人で生活して病気がちである。 |
孤独からの行き斃れ状態
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12. | 心身ともにボロボロになり、騙されて香港かフィリピンに売り飛ばされて、「達磨」(手足を切られ、舌を切られて喋れなくさせられ、セックス奴隷として一生奉仕する)になった。男はホモ愛好家のセックス玩具として、あるいはセックスホストとして。 |
魂の売り渡し
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13. | 駆け落ち先で妻と男が同棲生活り、そこで妻が妊娠した。 |
犯罪保菌者の目醒め
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14. | 教団に入れ揚げ過ぎて精神病になった。 |
洗脳の後遺症
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15. | マルチ商法を自ら組織し、詐欺で訴えられ、民事が刑事に変わった。 |
知能犯としての収監
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その他、これ以外にも三人以上の水子の堕胎手術、重度の精神分裂病、生活保護を受けながら借金を繰り返す、植物人間等になり、こうした状態に陥ると、まず、自分では軌道修正が不可能となります。末期に至ると殆ど救いようがないのが実情のようです。そして、ここまで落ちると、体臭が「死臭」に変わります。死の影を曵(ひ)いています 人間の不幸現象は、第一次症状から、一旦ボタンの掛け違いが生じると、ほんの些細(ささい)な要因が連鎖反応を起こして、次々に誘発し、抜き差しならぬ状態に加速度をつけて進行していきます。その向かう先は、「奈落の底」です。 そして、不幸のタネまきは、人間は生まれたときから始まっているのです。ここをよく理解するべきです。もともと人間の外的表皮(肉体の心)は、「災い」なのですから。 |