さて、大自然から人間に許された食物は穀類と野菜類のみであり、日本民族は食体系を穀物菜食主義で護り抜く必要性があります。その大きな理由は、言霊を真に活用するために、一切の動物の肉を排除し、血液を濁らせてはならないからです。
動物の肉を摂取すれば、血液は今までに述べた通り、濁り、穢れ、体内のあらゆる箇所を汚染して、霊的神性を曇らせるからです。
霊的神性が曇れば、「見通し」の利かない状態になり、澄んだ言霊が破壊されるからです。清浄な血液の通う人体を養うには、肉食を避けることは勿論のこと、三白癌(さんぱく‐がん/精白米、白砂糖、精白塩、その他、白パン等の「白い食品」をいう。また「白い食品」から、ガン発症することはよく知られている)と言われる白砂糖、塩化ナトリウムを主体とする漂白精製塩、白小麦粉で作られた白パンなども不可となります。
言霊七十五清音を正しく、完全なものにするためには不可とされた食物を避け、霊的神性をより以上に向上させて、清音なる発声器官を通じて宣(の)りを上げる祝詞(のりと)や神示を三千世界に響き渡るようにしなければなりません。
人間一人一人の行動は言霊に委ねられ、動物性や三白癌が入らぬ、濁らない言霊のみが真の意力を発揮します。行動と言霊を一致させるためには、「言霊が濁っていない」ということが必要不可欠になるからです。
しかし今日、美しい日本語は忘れ去られて遣われなくなり、横文字だけが支配する欧米文化が幅を利かせています。こうしたことが日本文化や日本精神を否定し続け、唯物弁証法に翻弄(ほんろう)された、悪しき大衆操縦だったのです。
マルクスの社会主義・共産主義虚構理論は、実は言霊破壊に端を発していたのです。肉を食べれば血が穢れ、魂は曇り、霊的神性は低下するという医学的根拠において、この思想は背後からサポートされ、階級闘争というプロレタリア独裁という虚構理論を捏ち上げ、前衛主義を則って、ひと握りの支配層と、その他多数の奴隷層を構築し、ひと握りが全体を自在にコントロールするという現実が社会主義国家で生まれました。
こうして虚構理論に、ある種の済(すく)いを求めた知識階級が殺到しましたが、それは精神文化を破壊し、しいては言霊を破壊するテーゼの一環に過ぎませんでした。
そして社会主義が崩壊した現実を見ると、この虚構理論は一種の「外圧・外流」であったことが分かります。
もともと神から降ろされた気は、直流的に人間の心に届いていました。
しかし食を乱し、外圧的思想に入れ上げ、虚構理論に信憑性を抱き、それに人民の済いがあると信じた時、その唸波は歪を生じます。その歪(ひずみ)は横道にそれ、「外流」となります。
外流は霊界・幽界・地上界とある中の、幽界と地上界の間を流れる邪気の流れであり、食によって霊的神性を曇らせた人や、心に歪のある人、波調の粗い人、影のある人がその想念に冒され易く、ついには外流の影響に強く左右されてしまいます。
言霊を狂わせない為には、「粗食」に徹すべきです。
私たち日本人は、戦後、豊かさを求めるあまり、その“豊かさ”を欧米食に求め、あるいは美食に走って、本来、日本人の食生活に「粗食」という考え方があったことを忘れてしまいました。
飽食で明け暮れている今こそ、手間の掛からない粗食に帰るべきなのです。
一般に、「粗食」というと、“粗末な食事”を連想してしまうようですが、粗食は決して粗末な食事等ではなく、日本という自然の豊かさの中から生まれた「素晴らしい食生活」のことを言うのです。そして「粗食」とは、「手間の掛からない日常食」のことであり、この日常食を通じて、四季折々の「旬の味」を楽しみ、今日のように、肉や食肉加工食品、牛乳、乳製品、油脂類、白砂糖類などの“油だらけの食品”を摂取することではなかったのです。
昨今は「飽食に時代」と言われています。この飽食の元凶こそ、成人病と無縁ではない恐ろしい実情を作り出してしまったのです。
ガン発症を初めとして、高血圧症、動脈硬化など、こうした病気は、多くが畜産物や油脂類を食べることに起因し、現代栄養学者の発言に翻弄(ほんろう)されていく場合が少なくありません。
そして戦後、日本に持ち込まれた“現代栄養学”なる学問は、今日の栄養教育の根幹にすえられたものでしたが、そこから作り出された「食生活の常識」とは、連綿と続いてきた日本人の食体系を狂わせるものでした。
また現代栄養学者の言として、出来るだけ米を食べないようにし、パン食を中心にして、それに副食としては、食肉や牛乳チーズやバター等の乳製品、油脂類、それに魚肉や野菜、海草類や貝類等、総てを満遍なく食べるという食事を、一貫して「バランスの取れた食事」としてきたのです。そしてその基本は、一日に30品目以上を食べることが「栄養学の理想」としたのです。
この指針により、日本政府は米の減反政策を実施し、米の消費量を極めて少なくする方針に出ました。欧米食に徹することが、「豊かな食生活」と定義してしまったのです。
しかし米の消費が減り、「豊かになった食生活」で、いったい日本人は健康に関して、どれほどの恩恵を受けたのでしょうか。
あるいは、これまでの日本人の日常食であった「粗食」を排して、どれだけ多くの日本人が健康になり得たのでしょうか。
その答えは、現代の子供を見れば明らかになるではありませんか。
今日の子供の多くは、殆どが「豊かな食生活」を享受した子供達です。しかし「豊かな食生活」の恩恵に預かった子供達が、何ゆえ、アトピーや虫歯の急増で問題視されなければならないのでしょうか。
急増の一途にあるアトピー性皮膚炎。また虫歯の急増。夏休みや冬休みともなると、どこの歯科クリニックでも多くの子供達の患者で溢れ返っています。昨今は、生まれながらに「歯並びのいい子供」など、探すのが困難な状態になっています。
こうした背景には「ご飯を食べなくなった」という今日の実情が起因しています。
一方で、肉や肉加工食品、牛乳、乳製品、油脂類、砂糖類などの食品が増え過ぎ、日本人の健康を脅かせています。
しかもそれらの食品の中心は、畜産物や油脂類を多く食べるようになった結果、大量の穀物を輸入し、世界の食糧バランスを狂わせる大きな問題になっています。そしてこの問題は、“世界の飢え”と無関係ではないのです。
果たして、日本人は「豊かな食生活」の恩恵を受けているのでしょうか。
こうして考えてくると、冷静に「食の問題」を考え直す時期がきていることを痛感させられます。
ところが一方で、現代人の食生活の何処に問題があるか、また、どこがどう問題なのか、今までの現代栄養学では説明の付かない部分が沢山あります。このように現代人の食生活は何処か訝しいと薄々感じながらも、それが何処に問題があるか、未だに指摘できないのです。
だからこそ、増え続ける成人病、取り分け、生活習慣病の元凶を根治できないのです。
まず、その問題点は、「現代の日本人は、日本列島の風土に合わないものを、日常的に食べているのではないか?」という疑問が浮き彫りになってきます。
この意味からすれば、「身土不二(しんど‐ふじ)」の食思想が完全に崩されていると言えます。つまり、自分の躰と、生まれた土地は一緒のものであり、本来ならば、自分が生まれた土地のものを食べるのが、日本の風土に一番適当であったものが、それが海外からの食べ物が入り、それを食べることが日本人の日常食を崩壊させてしまった、という現実を作り出しているからです。その最たるものが、今日に見られる食生活の欧米化です。
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▲食卓を油だらけにする食生活の欧米化。そしてこの変化は、本来、肉食向きでない日本人を、成人病へと結び付けた。その背景には、「肉と野菜をバランス良く」という現代栄養学の食指針が働いている。
今日の外食産業などを見渡すと、定食というメニューがあり、例えば「スキ焼き定食」とか「トンカツ定食」などのメニューがあり、これに「ご飯」がつけられているため、一見、見た目では「和食」と勘違いしてしまう。
こうした和食と錯覚する原因は、「ご飯付き」(【註】多くは玄米や七分搗きなどの米を炊いたものでなく、完全に精白米でデンプンの塊)であるために、「ご飯」イコール「和食」という図式が日本人の脳裡に巣食っているからである。
しかし、よく考えれば、スキ焼きの肉は牛肉であり、トンカツの肉は豚肉である。何れも“四ツ足”の哺乳動物であり、これらは「和食の名を借りた欧米食である言うことが分かる。
世の食文化には「○○定食」などと言って、和食の名を騙(かた)るものが多い。そして「ご飯付き定食」を頑(かたく)なに和食と信じている日本人が少なくない。 |
一言で換言すれば、「食肉類中心の“おかず”を沢山摂り、米を中心にした食事をしなくなった」ということが、今日の急増する成人病と無縁ではないようです。その一方の思考として、「日本人の場合、米を中心にする従来の食生活の方が、日本人にはマッチするのではないか」ということが分かってきました。
「米」こそ、日本人の粗食を助けてきた重要な食体系のキーワードだったのです。ところが、米は現代栄養学やの言で食べられなくなり、また減反政策等が禍(わざわい)して、主食をパン食にするということが試みられたのでした。
しかしパン食中心の食事は、食卓を油だらけにし、砂糖だらけの食品が多く並べられることが意味していたのです。
家族で食卓を囲み、親は殆ど野菜を食べない子供に向かって「野菜や海藻を、肉と同じ分量だけ食べなさい」といっても土台無理な話です。パン食中心の食事メニューでは、野菜や海藻は副食の方が余りにも淡白すぎて、容易に喉(のど)に通らないからです。こうして子供の“野菜離れ”が起ります。野菜や海草類を食べずに、その代わりとして“食肉類”を好む「食指向」が出来上がります。
また食肉類、肉加工食品、牛乳、乳製品、油脂類、砂糖類(焼き肉やスキ焼きのタレには「三白ガン」の病因となる白砂糖が大量に使われている)のふんだんに含まれる食指向は、食卓を油だらけにし、それが成人病誘因にも繋がっているのです。
これは「ご飯を主食にする」という、日本人の基本的な食体系が揺らぐのですから、パン食中心の食生活や、肉食中心の食生活が、どのような影響を起こすか、容易に理解できることと思います。
例えば、中年太りを気にして、ダイエットの為にご飯を取り止めたり、ご飯を減らし、それをパン等の欧米食に求める人が居ますが、実はこれが中年太りの元凶になっています。
人間が生命を維持する為には、誰でも食事をして生命活動のエネルギーを補給しなければなりません。
この場合、例えば一日中、布団の中で寝転んだ生活をしたとしても、大人で1400キロカロリーの食事量が必要になり、これは米の状態で言うと、玄米の栄養バランスのとれた状態で、茶碗に7〜8杯分になってしまいます。
それを減量して、少量にし、副食にはカロリーの低い野菜や海草類だけでは、一時的にダイエットは成功しても、決して長続きするものではなく、ダイエットのリバウンド作用として、その後、“大喰い”になり、結局、濃厚な肉食に走るようになって、旧(もと)の木阿弥(もくあみ)どころか、健康を害してしまうことにもなりかねません。
また、リバウンドで一旦大きくなった胃袋は、間食をする習慣を付けてしまい、お菓子やケーキ、ジャンク食品、ハンバーガーなどのファーストフード、あるいは清涼飲料水などに手が伸びてしまいます。
そして現代人が、食生活を無意識に信じている錯覚は、「肉と野菜をバランスよく、一日30品目、満遍なく食べる」という現代栄養学の言に振り回されて、これに殆ど疑いを抱いていないことです。
その背景には、「欧米の食生活が理想」とする、終戦直後の食生活の「錯覚」が、未だに迷信として信じられていることに起因するようです。
同時にこの錯覚は、日本の伝統的な食体系を破壊するばかりでなく、「正しい言霊」すら、破壊してしまったのです。
いま若者の間には、正しい日本語の原点である、「言霊が狂ってきた」という実情があります。
これは食の狂いが、言霊までを狂わし、その結果、種々の不幸現象に結び付けられて、その現象が悪化の一途を辿っているという現実を物語っています。そして「正しい想念」までもを狂わせているのです。
想念は「言霊」を基本とした想像の作用を伴いますから、本当はもともと存在しないものですが、想念を作り出すことによって顕在化します。無き世界が具現されるのです。
この具現は、信奉し、入れ込む人が多くなればなるほど、巨大化して、霊的組織が構築され、その信奉の範囲で物質界に実体化して現われてくるのです。
そして無いはずの地獄も、地獄的想念を持っていれば、また、そういう信奉者(肉食主義者で波調の粗い人)が増えれば、実際にそうした世界が現われます。
ヨハネの「初めに言葉ありき」という、言霊を思い出して下さい。これこそ、人間に言霊が働いているということを端的に述べたものではないでしょうか。
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