これから、なぜ食事で不幸現象が消えるかということに話を進めましょう。
食物が血液に変わり、その血液が体内を一巡し、その結果、体細胞が造られるということを今まで述べてきました。そして人体は「食の化身」であるから、食生活の善し悪しで健康になったり、病気になったりというメカニズムも説明してきました。
特に慢性的な病気は、その根底に食生活の誤りが挙げられます。同時に、慢性状態に陥った不運不幸も食生活に改革を加えれば、必然的に運気は開けていくものなのです。
日本民族の間では、古くから「食養」という言葉があり、この食養は玄米を中心にした穀物菜食主義の玄理(げんり/宇宙の理)を現わしたものでした。
そして食養道を実践し、真に正しい食事に改めると、人体の生理的メカニズムが正しく働き、肉体的には病気が治る(特に慢性病)という現象が現われます。
それを纏めると次のようになります。
【1.基礎体力が出来る】
玄米を正食として穀物菜食主義に改めると、まず、玄米の胚芽部分にある粗蛋白や粗脂肪や、外被部分の食物繊維の補給が容易になり、腸内において、有用微生物が増殖を始めます。この結果、胃腸を丈夫にして、植物性に含まれるミネラルの作用で整腸作用が起こり、また、血液は浄化されます。
【2.自律神経が安定する】
自律神経を安定させるためには、玄米菜食が理想的であり、ストレスに対する抵抗力が増進するため、自律神経系の機能が健全化します。
この神経系は、意志とは無関係に、血管・心臓・胃腸・子宮・膀胱・内分泌腺・汗腺・唾液腺・膵臓などを支配し、生体の植物的機能を自動的に調節する神経です。これには交感神経と副交感神経とがあり、その中枢は脊髄と脳幹にあります。
こうした神経系の健全化によって、血管などに本来の弾力性は蘇り、高血圧や動脈硬化で苦しめられていた人は恢復の方向に向かいます。
【3.整腸作用が整うために便通がよくなる】
玄米菜食性には食物繊維がたっぷり含まれているため、腸壁を刺激し、便通を滑らかにします。
また腸粘膜も健全になり、栄養分の取り込みが容易になって腸内の整腸が整います。ために、栄養状態のバランスがよくなります。
血液の汚染の最大の元凶であった停滞した宿便などが取り除かれますので、血液は浄化され、糖尿病、痔瘻(急性肛門周囲炎または慢性の結核性痔瘻)・痔疾(痔核肛門裂傷・脱肛など)、肥満症などの慢性病が解消されて治癒が促進されます。特に痔瘻・痔疾に悩んでいた人はこれが解消されて、やがては消滅します。
しかし痔疾の人は単に、末端的に剤薬などを肛門内に押し込んでも、肉食を続ければ一時的に恢復に向かったと思えても、治癒はしないので、肉食は大腸系や、大腸の末の直腸の終る肛門部を弱めるので、人間には不要の食べ物といえます。
【4.思考力を高める】
含有する玄米菜食性の中には、ビタミンやミネラルが豊富なため、思考能力が活発化され、頭の働きがよくなり判断力が高まります。また思考が活発化されれば、常に頭を働かせる状態にあるので、惚けの防止にもなります。
【5.抗癌・消癌効果が現われる】
玄米の中にはフィチン酸が含まれ、これは抗癌作用を促します。また野菜は、その植物性の特有な有効成分があり、ガン細胞が増殖できない構造を持っています。ガン細胞の培養は、肉汁の中では培養しますが、野菜汁の中では培養しないことが明らかになっています。
以上のように玄米菜食をすると、質の質のしっかりした赤血球が造られ、血中に侵入した公害物質や老廃物を排除し、血液は浄化に向けて働き始めるので発癌しにくいものになります。同時にガン細胞の治癒にも向かいますので、組織の炎症が収まり、慢性炎症であった腫瘍も次第に解体され、ガンの人は恢復に向かいます。
以上の五項目を食事法で要約すると、
1.玄米と雑穀ご飯、または粥を主食にする。
2.正しい咀嚼法に則り、50回程度はよく噛む。
3.副食は梅干、たくあん、味噌汁を重視し、御数の数よりは質の重視。
4.体質や病態に適合した補強食を摂る。
5.病態・病状にあった薬草茶をお茶として飲用する。 |
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