浄血の薦め
 人間の血は食生活によって、その方法や食体系が間違っていれば、汚れ、濁り、ドロドロになります。また霊的にも、穢れます。
 そして日本人の食生活や食体系は、戦後欧米化によって欧米的な食事が主流になってしまいました。
 更には、現代人の食生活の三本柱は「白米」「食肉」「白砂糖」であり、これが難病・奇病を招き入れ、禍根の重荷を背負うような現実を作り出してしまったのです。

 そして残念なことは、高度成長期に達する昭和三十年代前半までの、「貧しかった時代の食生活」が完全に忘れ去られてしまったということです。
 粗食・少食でベストを保っていた日本人の食生活は、これを機に、「腹一体食べたい」という願望が先行し、次に「美味しい物を、腹一体食べたい」というふうに移行しました。

 日本人は戦中・戦後の食べ物の貧しい時代を経て、「十分に食べること」が第一の目標でした。沢山食べるという贅沢の中に、欲望を満たし、次の時代は「美味しい物を、腹一体食べたい」ということが次の時代に欲望になりました。
 ところが今日、これ等の時代を経た欲望は目的が達成され、次はお金だけ出せば何でも手に入るという資本主義の金銭至上主義にものを言わせ、美味しい物にお金の糸目をつけず、食道楽に趨るという食通主義が流行しました。うまいものと聞けば、何処にでも出かけていくという日本人の食へのこだわりは、飽食と美食の結果、一方で病める躰を抱え込んでしまったのです。

 パリのマキシムのローストビーフに舌鼓を打ち、四川省のギラギラとした中華料理の大皿を取り囲み、宮廷料理さながらの、美食に明け暮れるその食傷に犯された日本人の姿は、まさに精神と肉体を為体(ていたらく)させた近未来の末期癌患者を彷彿とさせます。食べ過ぎの害に合わせて、不治の病を背負い込む食傷の最たるものではないでしょうか。

 昨今、欧米では日本型食事法に注目の目が注がれていると言いますが、これは現在の「白米」「食肉」「白砂糖」がふんだんに使われた日本食ではなく、昭和三十年代前半までの貧しかった時代の「和食」なのです。
 この和食には、肉食の国・欧米での健康失墜度が、ケタ違いに低く、優れた利点が多く含まれているからです。
 主食である「ご飯」の中にも、100%白米ではなく、大半は彼等がブラウン・ライスと言って珍重している玄米や玄麦であり、時には赤米(あかまい)や粟(あわ)や稗(ひえ)なども混じった雑穀米です。

 昭和三十年代、あるいは四十年代初期、欧米人から見る日本人は、理想に近い体躯と健康状態を維持しているという風に映りました。
 概ねがスリムな体型をして、その上、若く見えるという特長を持っていました。そして探究心旺盛な彼等は、その秘密を暴き始め、分かったことが「和食」のその原因があるということだったのです。

 しかしこの和食は、今日の日本人が食している日本食とは大きく異なります。
 今日の日本食は今述べたように、「白米」「食肉」「白砂糖」が食の三本柱になっています。これ等が有害であることは既に述べた通りです。
 また今日の日本食は、健康失墜度を欧米人のそれより、遥かに上回った数値を示すようになりました。
 肉食常習者は早熟で異常性欲状態になり、肉食の結果、大量に造られた精液を持て余して、夜な夜な男は風俗地帯を出入りし、また女は犬のような眼をして、男漁りに余念がありません。男女とも、性欲を持て余す気怠い欲望にギラギラしているのです。不倫の流行も、こうしたことが起因しています。

 早々と下腹に大量の脂肪をつけ、頭髪も三十代で薄くなり、若くして痔瘻(じろう)・痔疾を煩っている男女も決して少なくありません。アルコールの呷(あお)り過ぎから、咽喉(のど)を焼いて、金属音のような声になり、肝臓を傷め、心臓病や糖尿病などの成人病が青少年期から激増し、こうした現状を全体的に見ると、何よりも厄介なのが慢性病である癌が死因のトップに上げられています。
 これこそが禍根であり、今こそ日本人は食事を改めなければならない時期に来ているのです。

 そして非常に残念なことは、日本型食生活の理想像を追って、「現代栄養学」という学問が構築され、この学問が非常に的外れなことを提言しているので、大衆・庶民は救われないという現実があります。
 最近、現代栄養学者達が集まって「食生活懇談会」なるものものを開催しました。
 そして彼等がまとめ上げた結論は「八項目」からなる回答でした。
しかしこの回答は八項目のうち、真当に正しい答(正解)を出せたのは、「だったの一項目」に過ぎませんでした。
 栄養の専門家が、こうした間違いをするのですから、真当(ほんとう)の「健康の原理」を知っている人は、その実践の中で皆無と言わざるをえません。

 では、ここで栄養学の権威、栄養の専門家と称する彼等の八項目を追って見ることにしましょう。
 これに当たってその評価については、九州科学技術研究所独自の調査と、研究チームの学説意見に基づいて、医学的に評価を下したものです。その評価基準は「間違い=×」「間違いではないが、順当の域を出ない=△」「正解=○」と三段階の評価をつけました。


【第一項目】
 総熱量の過多を避け、適正体重を維持する。
 九州科学技術研究所評価「△」

【第二項目】
 多様な食物をバランスよく食べる。
 九州科学技術研究所評価「×」

 好き嫌い無く、多様なものを口から入れるとマイナス面もあることを知っておかなければなりません。現代栄養学はアメリカの食物メジャーがFOAと結託して作った学問であり、何でも食べようという総花主義によって、具体的な数値を打ち出すことによって、誤った考え方と先入観を大衆・庶民に植えつけ、それを固定化する目的を持っています。また現代栄養学では、「栄養のバランスのためには、一日30種類の食品を食べることが必要」としています。これは人間が何を食べたら健全に生きられるかという本質的な考えを見失っています。つまり彼等の学説は「食性」を見極めていないということになります。
 食性においては人間の歯の形であり、門歯とは「菜歯」を指しているのです。

【第三項目】
 米の役割と大切な意味を認識する。(ここでの米は「精白米」の意味)
 九州科学技術研究所評価「×」
 精白米の実害は繰り返し述べてきたので、あえて理由はつけません。

【第四項目】
 牛乳の摂取を心がける。
 九州科学技術研究所評価「×」
 牛乳の実害も既に述べました。

【第五項目】
 動物性脂肪の摂り過ぎに注意する。
 九州科学技術研究所評価「×」

 理由は、肉食は少量であっても人間向きではないからです。生物学上「ヒト」と名付けられた水冷式哺乳動物は、もともと「穀物菜食性動物」なのです。
  穀物(五穀/玄米、あわ、ひえ、きび、玄麦)を主食にして、適量の野菜を副食として食事をとることによって、生理機能が健全に営まれるという、人間とはそういう生き物なのです。

【第六項目】
 塩分や砂糖の摂り過ぎに注意する。
 九州科学技術研究所評価「×」

 理由、彼等の指す「塩分」とは化学塩と自然塩を混同し、また「砂糖」を白砂糖とその他の天然自然の蜂蜜や黒砂糖と混同しているためです。人工的なものと自然のものとは大きく異なります。

【第七項目】
 緑黄色野菜や海藻の摂取に心がける。
 九州科学技術研究所評価「○」

【第八項目】
 朝食をしっかり摂る。
 九州科学技術研究所評価「×」


 現代医学や現代栄養学の兼行理論で大きな間違いを冒している最大の誤りは、「朝食をしっかり摂る」「これが今日一日の原動力になる」としている点です。
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