異化作用と同化作用
 もう一度、ここで異化作用と同化作用を復習して見ましょう。
 今日一日の活動エネルギーは、既に昨日の夕食によってちゃんと確保されているのです。

 生体を根本的に支えている生理機能は、「同化作用」と「異化作用」です。
 この機能は各々に役割があり、相反する方向性を持って生体に作用します。
 同化作用とは、生体物質を合成し、エネルギーを蓄積していくものであり、異化作用とは、生体物質を分解し、エネルギーを燃焼(消費)させていくものです。

 そしてこの作用は、夜と昼で交互に切り替わります。
 日が暮れて暁方までの夜間においては同化作用が優勢になり、夜が明けて日中になると異化作用が優勢になります。
 具体的な生理現象として、「食事と睡眠」は同化作用の営みであり、「排泄と活動」が異化作用の営みです。

 人間はその日の一日のうちで、最後の食事である夕食を摂る事によって心身がリラックスし、やがて眠気が訪れて睡眠に就きます。この睡眠中に同化作用が起こり、暁方までにこれが完了します。明日一日の活動エネルギーはこの時に造られます。
 そして眼が覚めたら、不要物を排泄するために排泄作用がおこり、身軽になって、ここから異化作用が始まります。異化作用で得たエネルギーを以て、今日一日存分に頑張る事が出来るのです。

 以上は生体における一日のサイクルであり、これを無視して、一部の医学者や栄養学者がテレビなどで、大衆・庶民の無知をいいことにして「朝食は一日の活動エネルギーの源」と、嘯(うそぶ)くのです。
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