地球上で育つ全ての食べ物には、全て「陰陽」があります。
この陰陽を間違うと、健康が損なわれ病気になるのです。ジャンクフードというのは、こうした食べ物の陰陽を無視した、資本主義社会の金銭至上主義が生み出した、コスト主義と、ご都合主義に裏打ちされた「悪魔の食べ物」と言えるでしょう。
食べ物の陰陽は、先ずその色に表れます。
これはプリズムと同じように考えてもらえれば、これは理解できるはずです。赤い物ほど、赤外線を多く含み、これが陽となります。また紫色の物ほど、紫外線を多く含み、これが陰となるのです。
これは人間の人体を構成する内部造営を見れば、容易に理解されます。
人体を構成する内部造営の要は、「血」であり、人間は等しく赤い血を持ちます。血が赤いということは、人間が「陽物」であると言う事を物語っています。動物の血が赤いのも、動物が「陽物」である事を示します。
次に、寒温を見ます。すると人間は一様に、あらゆる人種を問わず、「三十七度内外」の体温を持っています。他の動物も、この温度付近に位置する体温を持っています。人間と他の動物が、ほぼ同じ温度を持っているという事は、それだけ、彼等の性(さが)が人間に近いという事を表わします。こうした点に注目し、生物一般を陰陽で分けますと、人間は陽性であり、また他の陸性動物の殆ども陽性である事が解ります。
次に味覚を見ます。
人間の味覚は、実は甘いというより、鹹い(塩辛いの意味)というもので、「血汐」などの言葉からも解りますように、「汐」であり、汐は「塩」の意味ですから、血液並びに分泌排出物はすべて塩気を帯びています。
涙、汗、鼻汁、小便なども塩気を含みます。つまりこの部分にも、人間が陽性であるという事を表わす一面があります。
次に触覚的に見てみますと、人間の人体はガス体でもなく、液体でもなく、むしろ軟体と硬体の中間に位置しますから、人体の流動体は、また陽性に入ります。
更に人体の75%以上が水である事から、これは物理や化学で言う、酸素と水素との化合物である「分子式
H2O」に比べると、純粋な水でなく生命活動を表わす水から構成されていますので、これも大変な陽性という事になります。
そしてこの「大変な陽性」は、低温の三十七度内外の体温で、低圧(一気圧)で、あらゆる原子の核を最短距離に圧縮しているのですから、ここに生命の透圧性の秘密があります。
以上の事から、地上のすべての動植物には陰陽があるという事が解ります。
肉も野菜も、また魚介類や穀類に至る迄、この陰陽があります。
さて食事は、ただ食べればいいというものではありません。食事の仕方には、その食べ方の作法(霊的食養道では、口に含んだ以降の咀嚼法と、食物正食法)があるように、食物の陰陽を知り、その陰と陽の調和を保ち、いずれかに偏り過ぎない事が大切です。
太陽光線をプリズムに当ててみますと、赤外線(陽気を帯びる)の方から赤・橙・白(茶)・黄・緑・青・藍・紫、即ち紫外線(陰気を帯びる)の順に並びます。
この陰陽のバランスを良く考えて、穀物や野菜の正食法に従い、各々を少量摂取する事が大切です。
即ち、通常の腹八分という思想を更に進めて、「腹六分」(従来の食事の量の半分)程度の食事量で満足する事が大事です。
病気の原因は食べ過ぎから起こるもので、通常の食事量の半分に抑える事が出来れば、たいていの病気は治ってしまうと言われています。病気の大半は、食べ過ぎによる「内臓の疲れ」であり、まず、この疲れを取り去ってやる事が大事です。その事から粗食に心がけ、少食に徹するべきです。
何でも、好きな量だけ、肉も野菜も好き嫌いなく食べる、という現代栄養学風の考え方は最初から矛盾があり、間違った食事法です。こうした食事法を無節操に繰り返すと、難病・奇病に斃れます。
また「紫」に近い、紫外線を含んだ陰気の物である動物性油・砂糖・シロップ・果物の缶詰・合成着色料・人工調味料・自然薬剤・コーヒー・各種ソースならびにドレッシング・常習性のあるコーラ・清涼飲料水・チョコレートなどを長期に亙り摂取する事は、人体には非常に有害とされています。
更には「赤」の赤外線に近い、陽気の多く含まれた精製塩・豚肉・牛肉・馬肉・マトン等の動蛋白を大量に摂取する事も、人体には有害である事は過言ではありません。
ちなみに、陽気を帯びた方から順に上げていくと、「橙」に当たるものは鶏肉・卵・自然塩・白身魚・白米・牛乳・マヨネーズなど、「白(茶)」に当たるものは青身魚・味噌・醤油・海老類・黒酢・梅干し・煮干し・そば・煮野菜など、「黄」に当たるものは貝類・穀類・玄米・米糠・胡麻・大蒜等、緑に当たるものは麦及び麦緑素・豆類・雑草・陸性植物の葉など、「青」に当たるものは海藻類、カンテン・ナッツ・プルーン・卵油・陸性植物の根・蒟蒻・ナマコなど、「藍」に当たるものは水・果物・蜂蜜・生野菜・植物性油・お茶などです。これらの各々に置かれた、食物の特性を参考にしながら、陰陽をはっきり把握する事が大切です。
少し話はそれますが、牛肉のステーキはまさに美味です。
また薫製の肉加工食品や、高級魚などのマグロの霜降部分も、さっと熱湯に通して冷水にさらすという食べ方は、美食文化の最高に洗練された食通にしか味わえない、美味な食べ方といえるでしょう。しかしこの美味と言う考え方は、うまい物や贅沢な物を食べるという指向で人生を突き進む為、動蛋白に偏った食生活が常習となります。もともと陽性を持った人間が、更に陽性に偏る事を意味します。
グルメブーム、温泉ブームで、旅先で出される宿の食事は、まさに贅の限りを尽くした食事といえましょう。しかしこうした物を毎日食べれば、人間の躰はどう変化してしまうか、一目瞭然です。ああいう食事を、日に三度三度食べて、長生きできると考える人は、余程、鈍感な神経の持ち主です。
常識ある食理論を持っている人ならば、「確かに牛肉は美味である。美味と言う物は毎日食べる物ではない。毎日食べる物でなければ、差し当たり必ずしも食べる必要はない。もし、本当に健康を考えるならば…」と言うふうに変化が起こるはずです。
即ち、酸性の代名詞であり、陽の極みに位置する動蛋白など、最初から食べる必要がないのです。動蛋白だけを食べ続けた人が、壊血病(ビタミンCの欠乏から起こり、新鮮な野菜や果物の摂取不足時に起る病症で、貧血、衰弱、歯肉・筋鞘・骨膜・皮膚などからの出血をともない脛骨痛を来す病気)になる所以は、この辺にありそうです。
世間一般では、肉を食べないと「力がつかない」「スタミナがつかない」と思っているようですが、これは大きな誤りです。
そしてこの考え方に陥りやすいのは、筋力第一主義に固執するスポーツ選手や、肉体を酷使する武道家に集中します。
彼らは不思議にも、身体の故障が多いようです。
またプロ野球の選手しかりです。バットやボールに当たって怪我をするのならまだしも、それ以外の転倒や急激な走塁をしただけでも、アキレス筋を切ったり、骨折や肉離れさえ頻繁に起こしているのです。これは何故でしょうか。
これは明らかに『動物性蛋白質信仰』が、その大きな原因になっているのではないでしょうか。
美味しい肉をどんどん食べて、筋肉をモリモリつけてパワーアップ等と考えているのではないでしょうか。こうした考え方はスポーツやの世界だけではなく、一般的には、人類全体に及んでいるのではないでしょうか。
古代ギリシャの迷信には、「早く走りたければカモシカの肉を食べよ。高く飛びたければ山羊の肉を食べよ。剣闘士(格闘家)は雄牛の肉を食べて、その闘志と力を付けよ」という教えが残されたと言われます。
「筋肉は、同じ哺乳動物の肉から」と言う、このナンセンスな考え方は、何処か、現代の欧米的スポーツ及び、それを模倣する武道の中に、未だ付き纏って離れない幼稚な妄想ではないいでしょうか。
果たして、貧血に悩まされる低血圧の人が、人の血を飲んで貧血が治るとでも言うのでしょうか。これは牛乳を飲んで、牛の乳に含有するカルシウムが摂取できるのではないかと思っている「迷信」に似ています。牛の乳汁は牛の仔に有効であって、人間は牛でないのですから、これらを栄養分として摂取しても、種が異なればその効用は半分以下のものになってしまいます。
そして人間は残念ながら、肉や乳製品を消化させる還元酵素を殆ど持ちません。
特に日本人は欧米人に比べて、穀物菜食民族である為、腸の長さが長く、したがって肉や乳製品を食べれば、こうした食物は腸内に長く停滞する事になります。この事は、腸に対する負担を掛ける時間が多くなり、機能失墜を起こしてしまいます。そして機能失墜こを、実はスタミナ減退の正体だったのです。
特に消化力や解毒力の衰えている病人が、こうした肉や牛乳や卵などを食すると、かえって病気を悪化させ、一種の自殺行為になってしまいます。
「肉・乳製品イコール筋力・体力の根源を司るスタミナのモト」と、安易に考えてしまうのは、短見な考え方といえましょう。
体液を悉々く酸性に変えてしまう、陽に偏った食物をスタミナ源と思い込み、その高カロリー・高蛋白を大量に食する事で、健康に維持しているのではないかと考える現代人は、動物性食品に哀れな妄想を抱いているようです。 |
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