人類淘汰の時代が始まった
原子力発電所の安全性が浮上
 日本列島は南北に細く、狭く、その上、主要都市には、人も施設もビッシリと詰まった国です。こうした地理的な事を考えますと、弱点はいろいろと浮かび上がってきます。もし他国侵略の有事に際した場合、果たしてこの国で何処まで、その防衛力は及ぶのでしょうか。
 万一、ミサイルが打ち込まれて、それを迎撃する際、仮にAAM(赤外線追尾方式サイド・ワインダー)で目標に命中させたとしても、手前に撃墜されて、これが爆発などを起こせば、大きな被害が出る事は一目瞭然です。
 そしてこれが、もし核弾頭ミサイルである場合、甚大な被害が出る事は想像に難くありません。
 狭い日本は、旧ソ連邦のチェルノブイリを上回る不毛の焦土と化す事は疑いようもありません。


 太平洋戦争末期において、日本は人類初の原子爆弾の無慙(むざん)な洗礼を、広島や長崎に受けましたが、今日は当時と違って、日本国内には原子力発電所が点在し、これに攻撃を受けた場合、当時の原爆被害を上回る大惨事が起こる事は明白です。

 さて、世界は二極構造の東西冷戦がその虚構の下に終焉・崩壊しましたが、未だに科学の進歩は、人類崩壊を暗示する凶器を次々に産み出し、この地球は二十五時的な形相が益々濃厚になりつつあります。
 こうした状況下、飽食の時代の浮かれる日本は別にしても、世界各国の多くは、貧民を擁しながら、しかもなお、経済的困窮状態にあるにもかかわらず、軍備を着々と水面下で固めつつあります。

 そして、世界のどこかに貧しい国、経済力が乏しい国がある限り、飽食に明け暮れる経済大国・日本も、平和に安住できない皮肉な一面を持っており、こうした水面下では軍備増強が、私達の目の見えない所で着々と構築されつつあります。
 現にアメリカの軍産複合体は、膨大な資本の下で、高額な武器を次々に作り出し、外国に輸出して膨大な利益を手にしていますし、日本においても武器の材料になる物を次々に作り出し、輸出を行っています。

 また、労働階級の生活の向上を目指して、社会主義化を押し進めたソビエト連邦は、既に崩壊した様相を呈しましたが、その根は生きており、更に中国は共産主義を標榜しつつも、一方で民主化路線を押し進めて、自由主義経済を推進させ、武器輸出を押し進め、北朝鮮にいたっては労働者に軍備準備のノルマを課して、対米・対日政策を露にする一触即発のポーズをとっています。
 こうした事を考えて見ますと、太平洋戦争突入当時の日本人と、現代の日本人は、同じ不安、同じ狂気の危険の側面にさらされているという事になります。

 そして今、日本人が最も恐怖心を抱くものは、核弾頭ミサイルによる核汚染や、原子力発電所の放射能汚染であり、こうした汚染の根本は、人類が未だに、不安定な核のコントロールを自由に操作できないという事に由来します。
 核弾頭飛来の核汚染の恐怖、原子力発電所から齎される放射能汚染の恐怖、更には、一方でこれらの施設がターゲットになった核爆発の脅威など、日本列島には多くの解決できない問題が横たわっています。
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