肉は腐敗するという性質のものです。人間が摂取すれば、腸内で腐ります。それは人間自体に、肉を消化させる消化酵素がないからです。
また、日本人は穀物を採取してそれを食体系に取り入れ、日本独特の食文化を培って来たのですから、日本人は肉食をする伝統がなかった為に、肉を摂取すると言うことは“日本人向き”ではありません。
日本人と西洋人の腸の長さを比較しても、それは明白であり、肉食の食文化の伝統を持つ西洋人に比べて、日本人はこうした古来からの伝統がなく、したがって、穀物などの植物性タンパク質を食文化の伝統として取り入れて来た日本人は、肉の食性を持たない民族と行っても過言ではありません。
植物性タンパク質で食文化を形成して来た日本人は、穀物を消化させる為に、西洋人に比べて腸が長く、その為に肉食をした場合、腸内で停滞し、そこで食した肉が腐り、それが腸壁から取り込まれて、発生した酸毒物質が血液の乗って全身を巡ります。この酸毒物質が体細胞の弱った箇所に停滞すれば、その部位の正常細胞は病変し、炎症を起こします。この炎症が、やがてガン発症となって、細胞の異常状態に導くのです。
したがって肉は、現代栄養学が言う、必ずしも食べなければならない食品ではなく、食肉成分の中に、優良なアミノ酸が存在していても、これを人間は消化させるだけの、消化酵素を持ちません。
これは医学的に言っても、常識であり、肉類は、それに含まれる蛋白質だけが吸収されるのであれば、それにこしたことはありませんが、残念ながら、肉類は腸内で腐敗する運命にあり、その過程において、硫化水素、アンモニア、その他の毒素である腐敗物質が腸管から吸収されてしまいます。
また、肉類には繊維質がないため、便秘を引き起こしやすく、毒素の吸収は更に高まり、人体を一層不健康の方向に導きます。
更に加えて、肉類には老廃塩が多く含有されていて、以上の毒素に加えて、エキシュール、プリン塩基、馬尿酸を含み、これ等の毒素は血液を汚染し、その汚染が原因で、血液は濁り、粘り、痛風や神経痛、リュウマチや動脈硬化を引き起こします。高脂血症や糖尿病も、こうした血液の汚染に由来しています。
医学的に見て肉類の脂肪は、その硬化度が食物油や魚油に比べて非常に高く、低温になると凝固を始め、こうした独特の性質から血管にこびり着きやすく、動脈硬化は言うまでもなく、高血圧や心臓病の病因にもなります。
これだけを見ても、植物性食品の方が優れており、栄養学的に見てもこの差の開きは一目瞭然です。
中でも、玄米、玄麦、粟、稗、黍などの五穀は、古来より日本では人民の間に親しまれ、こうした食体系を主軸に日本人は伝統を受け継いできました。
今日の、欧米風の食生活に溺れる、現代の日本人は、まず、これまでの正しかった先人の智慧(ちえ)に耳を傾ける必要があるのではないでしょうか。
さて、五穀の中で主役を努めるのは、何といっても「米」であり、この米とは、古来より「玄米」を指していました。
玄米としての米とは、精白をしてない米のことであり、米は、一旦精製してしまうと、本来の穀物としての栄養価は失われます。米や麦は、精製すると、穀粒の外皮部分の、最も栄養価の高い「麩(ふすま)」と呼ばれる部分が排除されてしまい、あとはカスばかりになってしまいます。カスとは「粕」であり、単に澱粉の塊になってしまいます。
今日、多くの日本人や韓国人、その他の周辺国で食されている米は、その多くが白米であり、口にやさしい、やわらかな、咀嚼回数が少ない粕を食べることが現代食生活の常識となっています。
しかし一方で、白米は死んだ米でもあります。
その証拠に、白米を田畑に蒔(ま)いても発芽しません。
一方、玄米は生きているために、土に蒔き、水を与えれば発芽します。これは外皮を取り去れば、死んでしまい、また、生命力すらないということを如実に物語った証拠といえます。
文字通り、白米と言う字を横にすると、「粕(かす)」となり、白米を食べることは、カスを食べていることになります。
精製し、玄米を白米にすると、玄米に元来含まれていたビタミンB群は殆ど抜け落ちてしまい、更に柔らかく、口当たりのいいものになってしまうため、噛まずに、咀嚼回数が少なくなるという欠点が目立つようになります。
まず、ビタミンB群が抜け落ちると、脚気(かっけ)や胃腸病になり、様々な機能障害の病因を引き起こします。更に怖いことは、白米を食べすぎると直腸癌になることが、医学的にも判明しており、食養道では「三白癌」(【註】白砂糖、白米、白パンなど)の一種に数えられています。
ここに「泥腐る」原因があり、また、江戸時代には、白米の食べ過ぎは「江戸患い」の元凶とされました。
今日でも、白米は栄養学的に見て「粕」であることは明白な事実であり、白米を主食にすると、カスを補うために、濃厚な味を求め、ついには肉食に及ぶという原因を作り出します。そして肉を食べれば血液の酸化が起こり、癌の病因となって、ついには、人間の本来から備わった「霊的神性」という霊性を著しく低下させます。
更に米は、外皮を取り去るという作業過程で酸化が始まっているということを知らなければなりません。それは恰度、林檎(りんご)の皮を剥くと、白い林檎の果肉が酸化して、黄色に変化するあの現象に酷似しており、私達は林檎を食べやすくするために、普段から皮を剥いて、林檎を保存するでしょうか。
しかし、米の精製は、恰度、林檎の皮を剥いた状態であり、酸化を促進させていることになります。したがって白米を食べ過ぎると、肉同様に酸化物質を体内に取り込むことになり、血液の酸化に拍車を掛け、腸内に大量の腐敗物質を残留させる結果となり、いわゆる酸性過多(アシドーシス)状態を作ってしまうことになります。
腸癌の元凶は、こうした酸化した腐敗物質が、長時間腸内に留まることが原因で起こる病気であり、また、血液の癌も、腐敗物質の取り込みで血液が酸化し、汚染したことが原因で正常細胞を狂わし、癌が発生します。
この事から、白米はビタミンやミネラルが抜け落ちた欠陥食品であるということは一目瞭然です。
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