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─────断食にあたりのご注意─────
断食をするには、始める前に“間違った断食観”を一掃しなければなりません。まず改めるべきは、過食や大食いの大食漢による食生活の認識です。断食は遣れば、誰でも出来ると言うものではありません。遣っても出来ない人もいます。 断食をするためには「正しい断食観」をもつ必要があります。 一つに、咀嚼の練習をすることです。 過食をしていて、断食をすれば肥満も大食いも治ると安易に考えている人がおりますが、危険な考え方と言えます。まず始めるにあたり、食事の基本である咀嚼法を正しく練習する必要があります。 要するに「噛み方」である。食べ物を噛むという行為です。 過食は咀嚼回数が少ないために大食いになります。そのため肥って、栄養過多の肥満体になるか、あるいは途中で吐き出して拒食症に陥り、体力が喪われて痩せます。 こういう腹を、食べても食べても満足しない「どんぶり腹」といいます。 過食の習慣のある人は、幾ら最初から断食しても無理です。この習慣を改めない限り、断食は逆効果でしょう。 先ずは咀嚼法の練習が必要です。食生活に柔らかい食べ物を取り込み、口当たりのいいものばかりを食べていると考えられます。 柔らかく、口当たりがよく、咀嚼回数が少なければ、幾らでも入り、肥満体になるか、あるいは胃下垂になって、人生を棒に振る人が少なくないようです。 正しい咀嚼法は、一口ごとに50回程度を確りと噛むということです。よく噛むことで、脳の満腹中枢に刺戟を与え、食べ過ぎや満腹の信号を伝えるためです。 飽食の時代、断食は食べない贅沢を知るための、人間の残された唯一の手段です。この意味は理解できなければ、断食をしても烈しい餓鬼感に襲われます。そのために普段から定期的に「空腹トレーニング」をして少食に馴れ、また少食で満足する体質を養い、併せて心の鍛錬もしておくべきです。 美味いものと聞いたら何処でも行き、行列のできる店先に並ぶなどの美食に誘惑されるような心構えでは、断食をしても逆効果で、終了後のリバウンドに悩まされ、以前より更に悪い心身状態になります。 失敗例として、断食を一週間ほど実行して体調が狂ったとか、逆に大食いの癖がついたとか、意志薄弱になったなどは、断食の悪影響で、既に精神に支障を来たしていることになります。この愚を踏まないためには、断食をするのに充分な計画を立て、準備をしておくと言うことが大切です。断食の失敗例は、充分な準備期間を整えなかったことに起因します。 まず断食をするには、準備段階は徹底的に正しく厳守しなければなりません。 例えば、一週間の断食をするには、その前後に三倍の「漸減期間」を設けることが大事です。一週間のプランで断食をする場合、その前の三週間が漸減期間に入り、徐々に減らして行く体質造りをしますし、断食終了後も三週間かけて、食事をもとの普通食に戻すためのトレーニングが必要です。いずれも「徐々に、ゆっくり」ということが大事です。 これを無視して行うと、大事故に繋がる恐れがありまた、意志の弱い人は「心法」による心の鍛錬をして、途中で挫ける性格をある程度矯正しておく必要があります。断食をするためには、経験者から学ぶことも必要ですし、また心を鍛えるトレーニングをしておかねばなりません。生半可な安易な考えで断食をすることは禁物。間違いなく命取り。 誰にでも断食することは簡単に出来ますが、断食する始めの期間と断食期間が終了して、その後の餓鬼感に襲われる方が大きな問題なのです。 これを克服で着ない人が断食をしても全くの逆効果。そして危険! まずは一口ごとに50回程度噛むこと。 『ひふみの咀嚼法』を心得るべきです。 三大心得は、よく噛んで食べる咀嚼法の徹底と、普段からの空腹トレーニングです。更に、肉や乳製品などの常食を止める。肉類は一種の麻薬のようなもので、人間は誰でも肉を食べれば大半の人が美味しいと感じます。つまり、その「美味しい」が、そもそも心を誘惑する麻薬成分です。食べれば食べるほど、もっと肉は欲しくなります。沢山食べたくなります。これこそ肉に誘惑される麻薬成分の最たるものと言えましょう。 普段から空腹トレーニングをしておいて、玄米穀物菜食、そして蔬菜を楽しむ心構えを養っておくべきです。 分りきった、しかも誰も、安易に見逃してしまう普段の常識。現代人はこの常識が中々理解できないようです。 ※ご忠告までに、自分一人の我流断食は危険です。 |
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難易 ↑ 易 難 ↓ |
日 数 | 向いている人(揺り戻し小) | 審 | 向いていない人(揺り戻し大) | 審 |
1日間 | 楽天的で根性がある一般人 | ◎ | 痩身・肥満とも神経質で依頼心旺盛 | ○ | |
2日間 | 楽天的で根性がある一般人 | ◎ | 痩身・肥満とも神経質で依頼心旺盛 | △ | |
3日間 | 楽天的で根性がある一般人 | ◎ | 痩身・肥満とも神経質で依頼心旺盛 | △ | |
4日以上 | 楽天的で根性がある一般人 | ◎ | 意志薄弱な人は此処から危なくなる | × | |
1週間 | 根性があり信念あって目的な明確な人 | ◎ | 精神的に体調や考え方に異常が顕われる | × | |
10日間 | 根性があり信念あって目的な明確な人 | ○ | 無理(精神的苦痛を感じる) | × | |
2週間 | 極めて意思が強く目的意識を持っている人 | ○ | 無理(精神的苦痛を感じる) | × | |
3週間 | 極めて意思が強く目的意識を持っている人 | ○ | 無理(精神的苦痛を感じる) | × |
変化 | 躰に現れる生理的な変化 |
1 | 食物を斷つ事によって、必然的に体内に吸収されていた食物中の有害物質や農薬成分に含まれる水銀や重金属等の毒素が断たれる。 |
2 | 腸造血によって血液が補給されない為に、体重は毎日1kgから500gずつ減る。断食は、自分の肉を啖い、燃焼させるという「肉食である」ということを心得るべし。 |
3 | 体重が減れば、動脈並びに静脈管が収縮し始め、血管内の血液細胞の総動員が行なわれる事になる。白血球の活動によって毀(こわ)れた箇所の修復が始まるのである。 |
4 | 関節間や、その他の組織内の毒素は、殆どが引き出される。その結果、関節炎、座骨神経痛、ロイマチス、高血圧症、糖尿病の初期、風邪などは恢復に向かう。 |
5 | 肝臓や脾臓の傷害になっているものは一掃される。ただし、この効果は白血球の活動が盛んになる14日をピークに、その苦痛に耐えねばならない。 |
6 | 体重の減少は、組織液にも新陳代謝を来し、リンパ液の総動員となって、種々の病疾患が次第に癒される。 |
7 | 体内の総ての消化器系およに同化系統を休息させ、体内の全勢力を他の器官に向かわせる事が出来る。例えば神経系に向かわせ、修復を始める。 |
8 | 脈拍数が、半分以下の30程度に低下する事がある。しかし、その為に生命の危険は絶対にない。しかし、気の弱い人は疑心暗鬼に陥って、脈拍に異常が生じる。 |
9 | 最後に最も大きな変化は、断食二日目の後半から三日目前半に懸けて、急激な目眩に襲われることである。殆どが此処で挫折する。「もう断食は懲り懲りだ」という気持ちになる。 そのため、断食をするにはある程度の覚悟と精神的な意志の強さが必要である。 つまり、断食をし、体内の大掃除をするには、その主旨を充分に把握し、また断食の体内調整のメカニズムも理解した上で、断食をするだけの「才能」が要るということである。 特に「依存型」の人は、断食は極めて不向きと言える。 学んだに、学んだことを理解する能力の無い人が断食をやるのは危険であることは言うまでもない。 誰にも出来ない高度な精神的鍛錬法であるということを理解していかねばならない。 |