尚道館の歴史 5



滋賀玄武館で西郷派大東流合気武術の掛け捕り演武を行う曽川和翁宗家。


東京・千葉から指導者講習会に集まった師範達。(右から岡谷正師範・曽川宗家・椎名准師範・福島准師範)

平成10年(1998)8月……総本部道場「尚道館」に於て、第九回西郷派大東流合気武術夏季合宿セミナーを開催する。



平成11年(1999)1月……2日。鹿児島の柔道家・川畑敏秋先生から、モントリオールオリンピック柔道銅メダリストの井上英哲先生と伴に、鹿児島に招かれ西郷派大東流合気武術を指導する。

柔道家・川畑敏秋氏と鹿児島桜島で。

 同年8月……総本部道場「尚道館」に於て、第十回西郷派大東流合気武術夏季合宿セミナーを開催する。

『大東流秘伝大鑑』

 同年11月……株式会社八幡書店より、『大東流秘伝大鑑』出版する。

二人捕りの固め業を披露。

小手返しを指導する曽川宗家。



 同年12月……9日、私学高等学校体育教師講習会。於て、三田学園中学・高等学校。
 44名の高等学校の体育ならびに柔剣道の教職員が参加した。

講話する曽川宗家。
(私学高等学校体育教師講習会)



アメリカ合衆国イオンド大学より、哲学博士(数理哲学/Doctre of philosophg Mathematical philosophg)の博士号の称号を授与された曽川和翁宗家。
平成12年(2000)4月……21日、アメリカ合衆国イオンド大学教授(hp.D,)就任(数学ならびに哲学)
 
同大学より、『崩壊するビッグバン・セオリー』『正の時間・負の時間』で博士号(数理哲学/Doctre of philosophg Mathematical philosophg)の称号を授ける。
 また研究論文として、『国際陰謀学』『ライプニッツの研究』『常微分方程式の研究』などがある。


 同年8月……総本部道場「尚道館」に於て、
第十一回西郷派大東流合気武術夏季合宿セミナーを開催する。


総本部・尚道館の道場内に架かるバロン吉元氏の力作『曽川師海を斬る』
 この作品は、上野美術館とニューヨーク・ゴットピアに永らく展示された。

 『曽川師海を斬る』の作者は、同年、バロン吉元氏から寄贈されたものである。

 さて、この作品は大東流剣術の「居掛之術(いかけのじゅつ)」を題材にとったもので、その術の凄さを余すところ無く表現したのが、この作品である。
 昨今は、実際に斬る事の無い剣道居合や現代居合や剣舞居合が巷(ちまた)で多くの愛好者を集め、秘かに持て囃(はや)されると言う実情がある。

 これ等の多くの近代的武道思想は、危険と言う理由から修行者に日本刀を操作させる事を嫌い、日本人の本来の魂の象徴であった日本刀を排除し、型だけに固執すると言う形式の居合道を構築し、単に術者は模造刀を持って形骸化した近代武道を愛好するというのが実情だ。

 しかしこの愛好は、媒体を斬る事の無い、型に固執したものであり、実際に真剣を用いて、目標である媒体を切断するというものではない。何処までも型の範疇(はんちゅう)に留まる型の剣技でしかない。つまり斬る事の出来ない、型の反復をもって由とするものである。

 さて現代人が日本刀を想像する場合、日本刀は良く斬れ、大根のように人間を斬り捲る「人斬り包丁」と過った固定観念を持っているようであるが、日本刀は操法を知らない限り、自在に遣い熟せるものではない。つまり実際に媒体を切断し、「刀の理(ことわり)」を習得する技術である。

 刀の理とは、刀自身に「反り」というものがあり、この理に従って媒体を真正面に捕らえ、そして刃筋を正しくして切断する技術である。これを正確に行う為には、「茶巾絞(ちゃくんしぼり)」からはじまり、媒体を捕らえて、一刀両断にする迄の掌の加減である。掌の加減は上級者になる程、この加減が巧妙になり、正確に媒体を切断するが、時として、その媒体は水のような液体である場合もある。

 また据え物斬りには「お試し水」といって、名刀と鈍刀を見分ける技術があり、鈍刀は水面に打ち据えただけで曲ったり、折れたりするが、よく鍛えられた名刀はこの動作ではびくともしない粘りを持っている。