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●骨盤・肩胛骨・頭蓋骨が弛むと、併せて身長も23ミリ低くなる

 人体は骨盤が弛み、その弛みによって肩胛骨の左右のバランスが崩れ、遂には頭蓋骨の関節が弛んで、顔が膨らみ、体型が紡錐形になるという現象を起します。
 紡錐形とは三角錐あるいが円錐のように、上体が細く、下半身に行くに従って太くなると言う現象です。紡錐形になる現象は、体内の老廃物が排泄されずに、重力に伴って下半身に沈むと云うことです。こうした体型になると、身長も縮み、青少年期よりも身長が低くなります。

 人間は年齢を重ねれば重ねるほど、身長は縮み、紡錐体型が激しくなる。腰骨部分の仙腸(せんちょう)関節が弛(ゆる)み、背骨が下がり、更には背骨と背骨の間にあるクッション代わりの椎間板(ついかんばん)に水分が欠乏して、身長が縮むと云う現象が現れます。要するに、背骨と背骨の間隔が縮まることなのです。

脊柱の椎間板に水分が失われると、壮年以降の身長は約2.3cmも縮み、背が低くなる。
 体内に蓄積された老廃物が腰から下のに沈下するのに反比例して、上半身では椎間板から水分が失われると言う現象が起こっている。
 こうした現象が起ると、まず、膝や足頸に関節痛が顕われ、次に頸椎・肩・臂・手頸と順に波及し、骨が脆くなっていく。
 更に、全体重の80%を占める頭部の重さは、脊柱に圧迫をかけ、頸椎に負担をかけ、胸椎や腰椎の椎間板に悪影響を与えていく。
 人間の頭の重さと、頭蓋骨の関節の弛みは、胃を圧迫し慢性胃炎となって胃ガンの元凶を作るし、心臓を圧迫して動悸や息切れを起し心臓障害を起す。

 人間の椎間板は、全部で23個ですから、各々の椎間板が1mm縮んだとして、1ミリ×23個で、23mmも縮んだことになります。
 つまり青年期の身長から、約23mm縮んだ身長が、中年以降の身長となります。
 そして、体重はこれを反比例して益々重くなるのです。1mm縮めば、1kgの割合で肥るとも言われています。

 例えば青少年期、身長が170cmの人であれば、壮年期に入って食事法を誤り、食を乱して雑食に趨(はし)れば、この人の身長は若い頃に比べて2.3cm縮んだことになり、また体重が60kgであれば、壮年期以降の体重は83kg前後という肥満体型の体重になります。これこそが生活習慣病であり、「食事病」の最たるものということになります。糖尿病等はここに禍根(かこん)があると云ってもよいでしょう。
 そして、もうこの時、頭蓋骨の関節の弛みが顕われていて、アルツハイマー型痴呆症の初期段階に入っていると言えましょう。

 では、一体こうした現象が、どうして派生したのでしょうか。
 それは現代人の食事の誤りにあります。食事を誤ると、骨盤・肩胛骨・頭蓋骨の関節が弛むと同時に、脊柱を支えるクッション代わりの椎間板に水分が失われ、背骨と背骨の間が短くなって、身長が低くなるという現象が起こります。
 こうした上体になりますと、若者でも、身長が以前に比べて低くなり、また、それに併せたかのように関節に弛みが顕われます。

 一日3食と云う美食時代の飽食が、「内臓疲労現象」を作り出します。内臓疲労現象は身体の畸形(きけい)を作り出し、肩凝り・腰痛・膝の関節痛ならびに、神経症的な疾患を齎(もたら)すのです。意志強固状態が平均値以上にある人は、ある程度の自制心と自己コントロール能力があるので、精神病を患うことが少ないのですが、自制心などの、霊的障害に対し、フィルターを持たない霊体質の人は、精神病を発症する人が少なくないようです。

 女性の30際過ぎに精神分裂病になったり、男性の40歳過ぎに同病気になるのは、内臓疲労が病因であると言われています。現代人はテクノ・ストレス下にある環境の中で生きているので、大食いや不規則な食事は内臓疲労を齎(もたら)し、即、精神障害に結びついてしまうのです。

 老化する原因の一つに「朝食をしっかり摂る」と云う迷信があります。これにより、老化は一段と早まります。「朝食をしっかり摂る」とは、「食べ過ぎて、早死にしなさい」ということなのです。
 異化作用と同化作用が、人間の生理機能としてある為、これを無視して、朝食を摂る作業を行えば、排泄タイムに朝食を摂る愚を冒していることになります。

 朝は食事をせず、液体の玄米ジュースもしくは、ドクダミなどの薬草茶などが人間の生理機能を最も順調にします。排泄タイムに食事を摂る習慣をつけると、必ず内臓疲労が起り、朝方の活動エネルギーは、食べ物の消化吸収に使われる為、思考力も落ち、躰の動きも鈍重になります。それに併せて、骨盤・肩胛骨・頭蓋骨の関節が弛みますから、当然、老も早く顕われ、その後は死に向かって一直線に突っ走ります。

 人体を満腹状態に置くと、まず腰痛になります。
 特に、筋肉を使い、躰を動かす体術的な修行をして居る人は、朝食は水分だけにし、また昼食は腹六分にして、満腹状態にしないことです。朝食に固形の食事を摂ると、動きが鈍重になり、この習慣が一日中続いてしまうことになります。これが一日中続くと云うことは、一年365日続くことになり、年から年中鈍重になります。その間思考力も正しく機能しなくなり、感情的になり、怒りっぽくなるのです。

 朝食の愚は、排泄タイムに食事を摂る愚行であることのみならず、朝食を摂ると、血液が筋肉内の血管や末端の毛細血管に流れず、消化の為に、胃に集まるからです。この為、筋肉が柔らかくならず、ますます血管を痛めるのです。これは「運動することの悪影響」です。

 人間の骨格は一日の周期をもって生活を制御しています。つまり、頭蓋骨肩胛骨・骨盤、肘関節や膝関節、脊柱(せきちゅう)などの骨格部は、一日の周期を以て開閉作用を行っているのです。この事をしっかりと把握しておく必要があります。

 人間は、午前中に骨盤が締まり、午後からは開きはじめます。また、空腹だと骨盤が締まり、胃の中に食べ物があると骨盤は開く生理作用が現われます。したがって、午後7時過ぎに食べ物を入れると、骨盤の締まりが兇(わる)くなり、朝起きても骨盤が弛(ゆる)み切っているから、椎間板ヘルニアなどのギックリ腰が起るのです。これは夜遅く食事をする事と無関係ではありません。腰痛や肩凝りは、これが元凶なのです。

 人間は骨盤が締まっている時に、脳や運動神経は覚醒(かくせい)するので、午前中に躰(からだ)を動かす作業等が最もよく、また、この時間帯に限られます。そして、午後からは脳の覚醒や運動神経が鈍麻するので、朝方、躰を動かすということは、最も有効な方法です。
 食べ過ぎは、骨の開閉作用で開き放しにするので、「腹六分」を徹底させ、締まりある骨格を養わねばなりません。

 骨盤の関節の弛みは腰痛を齎(もたら)し、肩胛骨の関節の弛みは肩凝りを齎し、頭蓋骨の弛みは毛細血管に目詰まりを起させて、アルツハイマー型痴呆症の要因を招くのです。



●塩分を摂らない事ではなく、身体からの「脱塩」が大事

 現代栄養学は無機成分の大事を忘れ、有機成分のみの、食材に限定してこれを論じています。しかし、最も大事なのは無機成分のカリ塩とナトロン塩とのバランスが大事です。
 肉常食等の雑食をして、主食の米が少なくなって、動蛋白摂取が多くなりますと、身体にはナトロン塩が蓄積され、腸壁内や血管内に止まって、排泄されない状態が起ります。

 こうした状態が、また関節を弛める病因を招くのです。
 健康な人は、本来発刊が少ないものです。しかし、動蛋白摂取過剰になると、体質が「汗かきの体質」に成り下がります。ワキガで汗かき、あるいは体臭が匂うといった状態は、体内にナトロン塩が多く蓄積されている為です。ナトロン塩が多く蓄積されると、腸内にも腐敗物質が溜まりますので、体臭がきつくなり、動物のような臭いを漂わせます。

 外側は幾ら美しい装飾品で飾り付けていても、中身の人間自体に不健康を背負っていては、それは醜いばかりであり、本当の裡側(うちがわ)から滲(にじ)み出て来る美しさではありません。

 巷(ちまた)には、外側ばかりを美しく飾るものは多く出回っていますが、肝心な中身を美しくする為に努力をしている人は少ないようです。外側ばかりに捕われて、美しいプロポーション等と称して、ストレス解消法としてエアロビクスをやったり、ダイエットと称してスポーツ等に興じている人が居ますが、激し過ぎる運動をすれば、疲労が重なり、新陳代謝も悪くなって、遣(つか)い過ぎた肉体は老化現象に、ますます拍車を掛けるばかりなのです。

 汗を流すようなスポーツをすれば、多くの人は健康で、丈夫な体躯(たいく)になれると信じて疑わないようですが、実は、これは現実とは大きなギャップがあります。
 これはプロスポーツ選手や、プロのスポーツインストラクターを見れば一目瞭然です。一見、健康そうに見える彼等の肉体は、既に裡側(うちがわ)では、崩壊が始まっているのです。至る所が故障だらけなのです。

 特に、スポーツをする人は、躰を動かす為に食事量が多くなり、同時に動蛋白摂取と云った雑食が中心となっている為、既に骨盤・肩胛骨・頭蓋骨に異常が現れています。肉体を酷使し過ぎ、その為にエネルギー補給と称して食事量の摂取が増えれば、代謝機能を狂わせて老化を早める結果になってしまうのです。

 プロスポーツ選手は常に肉体を酷使していますから、肉体限界の許容量を超えて過酷な練習を行った場合、それは顔面に、克明に顕われれきます。朝起きた時に、目の下にクマが出来ているなどは、疲労と新陳代謝の悪さからこうした現象が顕われます。この時に頭蓋骨の関節は、開き放しになって弛んでいると言えましょう。
 食に誤りから来る雑食が、このような状態を招いたのです。更にナトロン塩の過多状態にあると言えましょう。

 こうした状態を改善させる為には、体内からナトロン塩を「脱塩」する必要があります。
 かつて京都・北白河山中で、白幽仙人から内観法の秘伝を教わった白隠禅師はくいんぜんじ/江戸中期の臨済宗の僧で、『夜船閑話』などの著書がある。1685〜1768)は、無病長生法の一つである「内観真修法」を教わり、自らが患(わずら)っていた禅病を克服しました。
 禅宗での禅の呼吸法はα波を脳内に齎(もたら)し、精神を安定させる効果があるのですが、「無」という我武者らな境地を求める為に「酸過多状態」になり、それが影響して深呼吸による長い呼吸法で、「禅病」を発病させます。

 白陰禅師はこの時、禅病に罹(かか)っていて、その改善策を探し求めていたのです。呼吸の間隔が長い調息呼吸を行うと、酸過多状態になります。これが脳に酸素を大量に送り、「ふわふわ状態」が派生します。この状態を放置すれば、精神障害へと発展します。
 当時、白隠禅師もこの病状にあったと言えます。

 そこで白河山中で白幽仙人から教わったのが、心を臍の下の臍下丹田に据え、鼻を閉じて息を凝らし、体内の悪気を絞り出すようにして気力を込め、身体全体を膨張させるという修法でした。これを毎日朝晩行い、8万4千の毛穴から、悪気が出て、「脱塩する修法」を学び、これを実践したのです。

 これをやると、躰(からだ)を激しく動かさないのに汗が出て来ます。この汗の中に含まれる多くは、魚肉やその他の雑食によって取り込んだナトロン塩であり、これを悉(ことごと)く体外に排出するのです。
 この脱塩法によぅて、気分が爽やかになり、躰の調子がよくなるだけでなく、無病で長生きで来るのです。

 雑食の多い人体は、とにかく体内にナトロン塩が多く停滞しています。この脱塩をしなければなりません。
 現代栄養学は、「減塩」と称して一日の塩分の摂取量を10g以下と定義していますが、減塩をするのではなく、「脱塩」をしなければならないのです。そうしない限り、幾ら減塩に心掛けても、骨盤・肩胛骨・頭蓋骨の関節の弛みは改善することが出来ません。



●関節の弛みの改善法

 食餌法を誤り、正食をせず雑食に趨(はし)っている人は、ナトロン塩過剰状態にあります。こうした人の躰は、内部が冷たく、外部が暖かく、皮膚の肌理(きめ)が粗く、汗をかく事が多く、その汗も粘りのあるべた付いた汗です。こうした汗をかく人は、皮下脂肪が厚く、夏は暑がりであり、冬は寒がりです。更に季節の変わり目などの気候の変動に弱く、風邪をひきやすい体質にあります。

 つまり、悪い意味での「憑衣体質」です。憑衣体質の人は、ナトロン塩過剰となっていますので、その他の外邪や邪気の意識体を阻止するフィルターがない為、生霊(いきりょう)等の他人の唸(ねん)ともろに交流してしまい、憑衣されてしまいます。正食実践者でない為です。

 一方、穀物菜食で正食を実践して居る人は、身体の内部が暖かく、外部は冷たく、皮膚の肌理は細かく、汗の穴が開くことは少なく、寒冷の差が急変しても、厚着をしたり、薄着をしなくても、厚さや寒さに強く、体質が優れている為に、病気に罹(かか)っても直ぐに完治してしまいます。また、精神状態も安定しています。

 これに比べ、雑食者は骨盤・肩胛骨・頭蓋骨の関節は弛み放しになっている為、ナトロン塩を多く残留させた体質であり、汗の穴が開いた状態になっていて、締まることがありません。これが肉常食者等の雑食をする人の「汗かき」の現象は、正食者と違ってカリ塩が少ない為です。

 この体質だと、骨盤・肩胛骨・頭蓋骨の関節が開いている為、少しの寒さで震(ふる)え上がり、寒い時には厚着をせねばならず、暑い時には汗の穴が開き放しで、薄着をするばかりではなく、極めて冷たい食物や飲料物を飲食しなければ我慢できなくなります。
 そしてこうした飲食物は、更に悪い事に、内部が冷たく、外部が暖かい為に、邪気を引き込み易くなり、身体の表層にあったナトロン塩を、かえって内部に押し込め、ナトロン塩の作用ばかりが強まって、血行障害が起ります。血液中のナトロン塩が多くなって、血液がドロドロ状態になるのです。

 こうした体質の人は、運動をした為に、かえって大きな害を招き、心身を傷つけてしまうのです。ナトロン塩の過剰状態は、肉体ばかりでなく、心も傷つけ「気の病んだ状態」から、神が冒されて、精神障害を起こす事も少なくありません。

 したがって、こうした状態を改善するには、まず「正食法」に心掛け、毎日正しいリズムで食餌の摂り方を正さなければなりません。その方法を要約すると、次にようになります。

 一日の食事スケジュールは、「朝食抜きの一日2食の粗食・少食」に心掛け、内臓疲弊を避ける為にも、一日18時間程度の「18時間断食」を心掛けるべきであろう。朝食は摂らず、その時間は「排便タイムである」ことを肝(きも)に銘ずる。
 また、排泄を促す為に、この時間にドクダミ茶などの薬草茶を飲用するか、玄米ジュースなどの液体栄養分を摂るべきであろう。
 朝方は排便タイムである為、玄米スープ等の「液体食」を350cc程度摂る。固形の食餌は昼食と夕食で、昼食時には主食の玄米穀物を多く摂り、夕食時は副食の野菜や小魚類を多く摂る。一日2食の食餌法だが、昼食に澱粉質(でんぷんしつ)の主食の食品を多く摂り、夕食に副食の食品を多く摂るようにする。昼食は主食対副食の関係が8:2の割合で、夕食はその関係を逆にして2:8とするとよい。これは「18時間断食」をする準備の為である。
 但し、地域の気候風土によって異なるので、主食と副食の配分は多少変化する。北側に住んでいる人は昼食の主食:副食の割合を9:1、夕食は1:8にする。また南側に住んで居る人は、昼食が6:4で、夕食が4:6の割合にする。
 人体を満腹状態に置くと、まず腰痛になる。
 特に、筋肉を使い、躰を動かす体術的な修行をして居る人は、朝食は水分だけにし、また昼食は腹六分にして、満腹状態にしないことである。
 冷えや浮腫(むくみ)は夕食に白米・饂飩(うどん)・ラーメン・白パンなどの炭水化物や、食後にフルーツやケーキ・アイスクリーム・スナック菓子などを摂る為に起る現象である。これは躰に湿り気があることから起る現象で、甘い物の摂り過ぎは、体内の水はけを悪くする。
 ちなみに、腎臓病で、腎臓炎・腎臓結石・腎臓癌・腎動脈硬化・ネフローゼ・尿毒症などを患って居る人は、「水はけの悪さ」がこうした病気を発症させたのである。腎機能不全は、人工透析に頼らねばならない人生を送らねばならなくなるが、元凶は生まれてから発病までの期間の、食の誤りから来たものである。
 激しい格闘技や、ハードトレーニングを要するスポーツは、これを行うと、痩せるように見える。また、激しくなくても、ジョギングやゴルフ、テニスやエアロビクスなども、痩せて、スマートな体型になると信じられている。
 しかし、激しい運動や、中年層以降の人でも可能であると信じられている軽いスポーツでも、運動をした後は、無駄な汗を流す為に、飲料水が欲しくなり、また食欲を感じるものである。
 その為に、最も有害な甘味料や炭酸入りの清涼飲料水に手を出し、あるいは「運動の後の爽やかな一杯」と称して、ビールなどに手を出す。更には食欲を感じ、暴飲暴食に趨(はし)る。これこそ、「ホメオスタシス(恒常性維持機能/リバウンド)」であり、まさに愚行と言えよう。これにより、体型がオットセイのような紡錐体型になる。
 歳をとると、毛細血管に異常が現われ、この末端部の毛管に老廃物が溜まりはじめる。この顕著な異常現象が、肩凝り・腰痛・膝・肘の関節痛などである。
 その為に紡錐体型に「しもぶくれ」状に肥(ふと)り、下半身の老廃物が排泄されないまま体内に蓄積される。肥る現象というのは、運動不足で肥るのではなく、毛細血管が詰まっているから肥るのである。また腸内に老廃物が溜まり、血液を汚染し、各細胞の部位に炎症を起しているから肥るのである。

 人間の骨格は、まず、骨盤を引き締めることで、総ての弛みが解消されます。
 骨盤が締まると、脚と腰が強健になります。これに連鎖する形で、左右に正しい均衡が戻って来ますから、肩胛骨の左右の歪みが治り、肩胛骨の関節が締まります。
 肩胛骨の関節が締まると、次に頭蓋骨へと連鎖し、頭蓋骨の関節の弛みが正されます。つまり顔が引き締まるのです。

 顔が引き締まると脳の働きも旺盛になりますから、頭脳明晰となって頭がさえ、回転が早くなります。
 しかし、人間が生き物である以上、呼吸をして横隔膜の膨張・収縮の開閉が行われ、呼吸と同時に常に開いたり閉じたりしています。人間の脊柱もこれに併せて、開いたり閉じたりしているのです。骨盤・肩胛骨・頭蓋骨の開閉作用には、開く前には食事後の老廃物が腸内に溜まった状態の時に開き、これが排泄されることにより、閉じる方向へと向かいます。そして睡眠をすると、徐々に締まっていき、朝目が醒(さ)めると、よく締まった状態になっているのです。

 特に骨盤がこうして締まった状態の時に、便意を催し、したがって朝は排泄タイムなのです。この排泄タイムに食事をすると、折角これまで睡眠中に締まった骨盤の関節が弛み、これに肉体労働等が加わると、即、ギックリ腰等の腰痛を招いてしまいます。

 だから現代栄養学が云うように、「朝食をしっかり摂る」と言うスローガンは、全くのナンセンスであり、「朝食を摂る」という行為は「食べ過ぎ」に拍車をかけるようなもので、更に、「1日30品目食べよ」という現代栄養学の考え方は、「早く老化せよ」といっているようなもので、日本人は、戦後教育において「栄養が足りないと病気になる」という迷信が、獣肉や乳製品の動蛋白を多く摂るようになり、種々の現代病を作り出したのです。また、その元凶は食べ過ぎによる内臓疲労から起るものでした。
 現代人は飽食により、「死期を早めているのである! 」ということを、私たちは認識しなければならないのです。