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浄血とは

 
現世は流転しています。刻々と動き、たえまない変化を続けます。そして、また人も変化します。心も躰(からだ)も変化し、考え方も変化します。

 こうして変化する中に、昨日の躰も変化し、厳密に言いますならば、その躰すら刻々と老化に向けて変化を続けています。

 私たちの躰を司る体細胞は、たえず新しいものに置き換えられます。しかし、その回数には限りがあります。

 肝臓は、約半年で新しいものと入れ代わり、頭髪も約半年で新しいものに抜け変わります。
 体細胞は、絶えず新しいものに置き換えられると言う、こうした中に、病気が治り、かつての健康が蘇
(よみが)って来るという根拠が、ここにあります。

 病気を患
(わずら)うと言うことは、体細胞の衰弱や老廃物の停滞によって起こるものであり、これが変質して、体細胞は新陳代謝を繰り返していきます。
 しかし体細胞が変質した場合、そこには病的細胞が発生します。
 したがって、新しく生まれる体細胞を健全な状態にして、病的細胞を駆逐すれば、病気は治り、病んだ躰は元通りに恢復
(かいふく)へ向かいます。

 私たちの躰を司る体細胞は、血液に浸され養われます。
 したがって、血液の性状によって健康が左右されます。健康が左右されれば、運もそれによって左右されます。
 血液も、常に新しいものと入れ代わり、刻々と変化し呈ます。

 血液が健康であることは、また躰も健康であると言うことです。そして条件次第で、血液は綺麗
(きれい)になったり、汚れたりもします。
 こうした状態が健康に反映されているのです。したがって、どういう条件が健康に反映されるか、またどうした条件が兇
(わる)い血を生み出して、健康を害するのか、こうした条件を知り尽くして、日常生活に応用させない限り、健康体を維持することは出来ません。いつまでも現代栄養学に振り回されて、間違った考えを抱き続ければ、健康を損なうことになり、短命を余儀なくされます。

 躰に於ける血のカラクリを知ることは、健康を知ることです。
 そして、血はどのようにして、どこで造られるか、こうした根本的な場所を知っておかなければなりません。

 現代医学や生物学では、血の造血場所を骨髓一点に絞り込み、「骨髓造血説」を唱えています。
 しかし、この考え方では、人体の生理機能は掴
(つか)めません。また、病気対策も立てられません。病気対策を考える場合、造血理論が様々な病気を解消する上で、健康問題を解消するカギとなっているからです。

 また、健康と運気は表裏一体であり、勢いのある運気を呼び込む為には、健全な健康体が必要不可欠になります。

 さて、今から、盛んな運気と健康を呼び込む、「浄血法」へと、皆様をご案内を致します。そして、今迄の食体系の既成概念が間違っていた事に気付かされると思います。




●浄血のすすめ

 人間の血は、食生活の食体系によって、その方法や実践法が間違っていれば、汚れ、濁り、ドロドロになります。
 そして日本人の食生活や食体系は、戦後欧米化によって欧米的な食事が主流になってしまいました。

 更には、現代人の食生活の三本柱は「白米」「食肉」「白砂糖」であり、これが難病・奇病を招き入れ、禍根の重荷を背負うような現実を作り出してしまったのです。
 そして残念なことは、高度成長期に達する昭和30年代前半までの、「貧しかった時代の食生活」が、完全に若い世代から忘れ去られてしまったということです。

 昨今、欧米では日本型食事法に注目の目が注がれていると言いますが、これは現在の「白米」「食肉」「白砂糖」がふんだんに使われた日本食ではなく、昭和30年代前半までの貧しかった時代の「質素な和食」です。
 この和食には、肉食の国・欧米での健康失墜度が、ケタ違いに低く、優れた利点が多く含まれているからです。

 昭和30年代、あるいは40年代、欧米人から見る日本人は、理想に近い体躯と健康状態を維持しているというふうに映りました。概ねがスリムな体型をして、その上、若く見えるという特長を持っていました。そして探究心旺盛な彼等は、その秘密を暴(あば)き始め、分かったことが「質素な和食」のその原因があるということだったのです。

 しかしこの和食は、今日の現代日本人が食している寿司や丼物の日本食とは大きく異なります。
 今日の日本食は、今述べたように、「白米」「食肉」「白砂糖」が食の三本柱になっています。これ等が有害であることは、既に述べた通りです。
 また、今日の日本食は、健康失墜度を欧米人のそれより、遥かに上回った数値を示すようになりました。

 肉食常習者は早熟で異常性欲状態になり、肉食の結果、大量に造られた精液を持て余して、夜な夜な男は風俗地帯を出入りし、また女は、犬のような眼をして、男漁(あさ)りに余念がありません。
 早々と下腹に大量の脂肪をつけ、頭髪も三十代で薄くなり、若くして痔瘻(じろう)を煩っている若い男女も決して少なくありません。アルコールの呷(あお)り過ぎから、咽喉(のど)を焼いて金属音のような発声になり、肝臓を傷め、心臓病や糖尿病等の成人病が青少年期から激増し、こうした現状を全体的に見ると、何よりも厄介なのが慢性病であるガンが死因のトップに上げられています。

 これこそが禍根であり、今こそ日本人は、食事法を改めなければならない時期に来ているのです。
 そして、非常に残念なことは、日本型食生活の理想像を追って、「現代栄養学」という学問が構築され、この学問が非常に的外れなことを提言しているので、大衆・庶民は、権威筋の意見に惑わされて、救われないという現実があります。

 最近、現代栄養学者達が集まって「食生活懇談会」なるものものを開催しました。そして、彼等がまとめ上げた結論は、「八項目」からなる回答でした。しかし、この回答は八項目のうち、真当(ほんとう)に正しい答(正解)を出せたのは、だったの一項目に過ぎませんでした。
 栄養の専門家が、こうした間違いをするのですから、真当(ほんとう)の「健康の原理」を知っている人は、その実践の中で皆無といわざるをえません。

 では、ここで栄養学の権威、栄養の専門家と称する彼等の八項目を追って見ることにしましょう。
 これに当たってその評価については、九州科学技術研究所独自の調査と、腸造血説の学説に基づいて、医学的に評価を下したものです。その評価基準は「間違い=×」「間違いではないが、順当の域を出ない=△」「正解=○」と三段階の評価をつけました。

第一項目、 総熱量の過多を避け、適正体重を維持する。九州科学技術研究所評価「△」
第二項目、 多様な食物をバランスよく食べる。九州科学技術研究所評価「×」
好き嫌い無く、多様なものを口から入れると、マイナス面もあることを知っておかなければならない。現代栄養学は欧米酔心派が作った学問であり、何でも食べようという総花主義によって、具体的な数値を打ち出すことによって、誤った考え方と先入観を大衆・庶民に植えつけ、それを固定化する目的を持っている。
 また現代栄養学では、「栄養のバランスの為には、一日30種類の食品を食べることが必要」としているがこれか間違い。人間が何を食べたら健全に生きられるかという抜本的な構造はその歯型である。つまり現代栄養学の学説は、食品だけに焦点を当て、肝心な人間の「食性」を見極めていないということになる。
 食性においては、人間の歯の形で食べ物を決定するのであり、門歯とは「菜歯」を指し、臼歯は食べ物を擂り潰す為に遣われ、犬歯は穀類を割る為に遣われる。これは生物的宿命であるが故に、勝手に人間の好みで変えられるものではない。
第三項目、 米の役割と大切な意味を認識する。(ここでの米は「精白米」の意味)
九州科学技術研究所評価「×」
精白米の実害はビタミンB1の欠乏を招き、便秘体質を作る。
第四項目、 牛乳の摂取を心がける。九州科学技術研究所評価「×」
牛乳の実害はアレルギー体質や白血病が上げられる。
第五項目、 動物性脂肪の摂り過ぎに注意する。九州科学技術研究所評価「×」
 理由は、肉食は少量であっても人間向きではない。生物学上、「ヒト」と名付けられた水冷式哺乳動物は、もともと「穀物菜食性動物」である。
 穀物(五穀/玄米、あわ、ひえ、きび、玄麦)を主食にして、適量の野菜を副食として食事をとることによって、生理機能が健全に営まれるという、人間とはそういう生き物なのである。
第六項目、 塩分や砂糖の摂り過ぎに注意する。九州科学技術研究所評価「×」
 理由、彼等の指す「塩分」とは化学塩と自然塩を混同し、また「砂糖」を白砂糖と、その他の天然自然の蜂蜜や黒砂糖と混同している為である。人工的なものと自然のものとは大きく異なる。
第七項目、 緑黄色野菜や海藻の摂取に心がける。九州科学技術研究所評価「○」
第八項目、 朝食をしっかり摂る。九州科学技術研究所評価「×」

 現代医学や現代栄養学の健康理論で、大きな間違いを冒している最大の誤りは、「朝食をしっかり摂る」「これが今日一日の原動力になる」としている点です。



●間違いだらけの現代栄養学

 「朝食をしっかり摂る」という愚行は、食品業界の指令に基づいて片棒を担ぎ、走狗する、医学者や栄養学者の陰謀です。
 したがって「朝食は一日の活動エネルギーの源」とする提言は大嘘です。この提言は、人体(生体)と、動力機械や車等とを同一視して、本質的な違いを無視した短絡的な発想に他なりません。例えば、動力機械は、何らかの燃料を入れなければ動きませんし、車の場合はガソリンを入れなければ走りません。

 ところが人体の場合、食べたものは少なくとも、7〜8時間後でなければエネルギー化しません。食糧がエネルギーに変換される過程は、複雑な物質代謝系を経なければエネルギー化することは出来ないのです。したがって、朝食がその日の活動源になるということはありえません。

 今日一日の活動エネルギーは、既に昨日の夕食によってちゃんと確保されているのです。
 生体を根本的に支えている生理機能は、「同化作用」と「異化作用」です。この機能は各々に役割があり、相反する方向性を持って生体に作用します。

 同化作用とは、生体物質を合成し、エネルギーを蓄積していくものであり、異化作用とは、生体物質を分解し、エネルギーを燃焼(消費)させていくものです。
 そしてこの作用は、夜と昼で交互に切り替わります。
 日が暮れて暁方(あけがた)までの夜間においては同化作用が優勢になり、夜が明けて日中になると異化作用が優勢になります。

 具体的な生理現象として、「食事と睡眠」同化作用の営みであり、「排泄と活動」が異化作用の営みです。
 人間はその日の一日のうちで、最後の食事である夕食を摂ることによって心身がリラックスし、やがて眠気が訪れて睡眠に就きます。この睡眠中に同化作用が起こり、暁方までにこれが完了します。明日一日の活動エネルギーは、この時に造られます。

 そして眼が覚めたら、不要物を排泄する為に排泄作用がおこり、身軽になって、ここから異化作用が始まります。異化作用で得たエネルギーを以て、今日一日存分に頑張る事が出来るのです。
 以上は生体における一日のサイクルであり、これを無視して、一部の医学者や栄養学者がテレビ等で、大衆・庶民の無知をいいことにして、「朝食は一日の活動エネルギーの源」と、嘯(うそぶ)くのです。

 また、朝食信奉者の中には、米国空軍パイロットの事故発生率の問題を持ち出して、事故を起こした多くのパイロットは、朝食を摂らなかったから事故を起こしたのだという話を持ち出し、食事をしたパイロットと食事をしなかったパイロットの事故を起こす例を挙げていますが、これ等は大きな偏見と言えます。
 人間の躰は、先にも述べたように、車等の機械ではありません。ガソリンを入れたからと言って、直ぐに動き出すものではないのです。

 動く為のエネルギーに変換されるには、「同化作用」と「異化作用」の関係から、7〜8時間という、時間が必要なのです。車ならば、ガソリンを入れれば直ぐに動き出しますが、機械でない生体は、燃料補給のようには行きません。消化吸収という行程を踏まえなければ、原動力となるエネルギーは生まれてこないのです。

 朝は、一日の排泄タイムであり、この時間に食事をするのは、まさに愚行なのです。
 米国空軍パイロットの事故発生の直接の原因は、食事を摂らずに血糖値が上がらなかったと言う理由ではなく、昨日食べたものを朝の排泄タイムに排泄できなかったと言うのが最大の事故原因であり、血糖値を上げる為に、朝、わざわざ食事を摂る必要はなく、もし、血糖値を上げるならば、朝食の代わりに、シュガー入りのコーヒーや果物ジュース等でもよく、今日一日のエネルギーは、昨晩の夕食によって、ちゃんと作られているのです。

 もし、事故を起こしたパイロットに、排便の有無状況を調べれば、また、結果は違ったものになり、朝食を摂らなくても、しっかり排便をし、更に血糖値を上げる為の果物や野菜ジュース等を飲用すれば、絶対に事故等起こすはずがなく、もしそれでも事故を起こすのならば、そのパイロットは、パイロットとしての身体上あるいは敵性上の欠陥があり、朝食摂取の有無と、事故発生とは、何ら因果関係がないことが分かります。

 一日三食主義は、まさに「食べ過ぎ」であり、自らの一生涯の「食禄」(人間には、その人が一生涯食べるとされる食事の量が定められている。その量はおおよそ主食分6000kg、副食分4000kg、合計10000kg)を早く食い潰してしまいますから、それだけ寿命も短くなります。
 人間には、その人が一生食べる食事の量が定められた「食禄」(しょくろく)というものがあり、多喰いの人は自分の食禄を早く食い潰してしまいますから、太く短くでしか生きられません。えてして、大食漢が、寿命が短いのは、食禄を早く食い潰(つぶ)してしまうからであり、食禄がなければ、また寿命も残っていないことになります。



●体質改善に最もよいのは、一日二食主義

 人間が朝起きて、朝という時間は「排泄タイム」です。
 排泄をスムーズに行う為にも、食事は摂らない方が健康には良く、この時間に多くの量を体内に取り込むと、不自然な排便反射によって急ブレーキが掛かります。

 統計的に調べると便秘は、白米を主食にした「朝食信奉者」に多く、彼等の意見は「排泄をしっかり行なう為にこそ、朝食をしっかり摂るのだ」という愚かな考え方をしている信奉者がいます。これは、まったく愚かな錯覚に過ぎず、上から詰め込んだら排出がしやすくなるという幼稚な考えで、人間の生きた腸管は、トコロテン式の腸詰め機械ではないということを認識すべきです。
 しかし食事ではなく、水等のミネラル飲料水で胃袋を刺激すると、排泄反射は多いに高まるという現象はあります。
 したがって、この生体のカラクリを利用して、躰によいといわれる青汁ジュース等の薬効成分の高い緑黄色野菜のジュースを、コップ一杯程度の少しだけ飲用すると、便通促進と体質改善に繋がります。

【朝の飲用物の配分実例】
 ・緑黄色野菜の青汁
 ・よもぎ、くこ、はぶ、どくだみの薬草茶
 ・胚芽、葉緑素、酵素のミックスジュース
 ・花粉、高麗人参茶
 ・玄米スープ
 ・雑穀物全粉パン(一般には玄米パンといわれる)
 ・梅干におろし生姜
 ・梅干を加えた番茶
 ・わかめとネギ、その他緑黄色野菜の味噌汁
 以上の量は、コップ一杯、または御碗一杯。

 食べ過ぎは肥満体を造るばかりでなく、頭の回転を悪くして、鈍重な人間行動に変えてしまいます。占いを信じたり、他力本願で自分以外の何かに頼り、そのデマに翻弄(ほんろう)されるタイプは、大方が一日三食主義か四食主義の過食ぎみの人に多く見受けられます。こうした人は、更には、食の代謝を疎外して、成人病を招きます。

 体質改善の重要ポイントは、「朝食抜きの一日二食」が重要なポイントで、食事回数を減らし、粗食・少食に徹することが無理をせずに、楽々と節食できる本来の日本人の食体系なのです。
 こうした観点から考えていくと、現代栄養学なる食品業界の作った学問は、誤った主張に、正統性を持たせようとして、食の大量消費を促し、大衆・庶民を動物化・家畜化の方向に導いていることが分かります。こうした捏造(ねつぞう)に乗せられていては、いつまでたっても資本主義の大量消費を繰り返す、輪廻の輪から抜け出すことは出来ません。