千島学説こそ正真正銘の医学 
ひじきと玄米雑穀ご飯。
 油だらけの食卓から、玄米穀物雑穀の食卓へ。
 人間は「老いる」生き物である。すこやなに老いていくためには、少食の徹底が必要である。したがって、少食を守れない人は種々の現代病に罹病し、真の意味で、すこやかに老いることを見失う。

 少食の徹底は、宿便を溜めないための食事をする必要がある。食物は自分の大切な命である。そして体質の向上や、自然のままに老いていくという、人間も自然の一員であるということを認識することである。

 特に50歳を過ぎたら、食は楽しむためのものから、生きるためのものに変えていかなければならない。
 食養道では少食を奨励している。出来れば「腹六分」の少食が良い。
 かつて「腹八分に病気なし」といわれてきた。しかし、これに動物性タンパク質が加わると、過多になりやすい。一日四食も五食も食べた上に、間食をするのでは生活習慣病になりやすい。食傷を起こすのだ。
 本来ならば、腹六分でもよいのである。つまり「超少食」である。一日2,500キロカロリー以上の食事というのは、現代栄養学の作り上げた仮説である。

 関節リュウマチ、乳ガン、肝臓ガン、B型肝炎、高血圧、脳出血、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、自律神経失調症、慢性疲労症候群、膠原病
(こうげん‐びょう)、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などの病気は、一日800キロカロリー程度の玄米穀物彩色の食事によって、自然と治癒していくのである。人間は一日800キロカロリー程度の「仙人食」で、栄養失調にもならず、十分に生きられるのである。

 繰り返しますが、人体は「食の化身」であるといわれます。その人が何を食べているかで、その人の肉体を作り上げ、その内面的な人格や、そして頑健といわれる心身を構築しています。
 そして健康とは、食生活次第で良くもなったり、悪くもなったりします。
 人体の基本構造が、「」という流れと、変化過程において、分化・発展しているということが明らかになります。


 赤血球はまず、腸で作られ、その赤血球がやがて体細胞に分化していくという、一つの大きな流れが人間の人体を形成しているからです。
 これを具体的に言いますと、食物は消化されることによって、その栄養素は腸壁部の腸絨毛から吸収され、これが赤血球母細胞に造り変えられます。赤血球母細胞はその内部から放出された赤血球が、血管内に送り込まれて全身を巡り、躰の総ての細胞へと変化し、発展していきます。

 これが千島学説の基本的な『腸造血説』の根拠であり、血球から体細胞への変化・発展は、辿り着いた先の各部分での「順応」という作用によって分化を遂げます。
 これは、組織細胞に辿り着いた赤血球や白血球が、その周辺の体細胞から強力な影響力や誘導によって、その場の影響を受けるからです。

 例えば、辿り着いた先が肝臓なら肝細胞と変化し、またその部分が脳ならば脳細胞へと順応し、分化して、変化・発展を遂げます。
 このようにして自分の役目を了(お)えた赤血球や白血球は、損傷したり破壊された体細胞の穴埋めとして壊れた組織の修復に寄与します。

 以上のように血球から次々に新しい体細胞が作り出されるのであって、現代医学や現代生物学が、高校の「理科1」や「生物」の教科書で教えているように、細胞分裂によって体細胞が造られるというようなことは、実際には起こっていないのです。
 つまり体細胞に限っては分裂増殖をしないのです。赤血球の体細胞化なのです。

 千島学説の中心課題は、食べ物が体内に取り込まれた場合、それは躰の中心部である腸内に入るという基本原則の上に立ち、その後に、それは腸壁絨毛の触手によって血管に取り込まれ、血管内を駆け巡る赤血球に変えられるという学説から成り立っています。
 したがって造血の主体である腸は、食べ物を血球に造り変える働きをしていることになります。そして躰の本体である内臓、筋肉、骨、皮膚などの、総ての組織器官を構成する体細胞への分化・発展を遂げるというメカニズムを現わします。

 こうして千島学説に則って、人体の生体メカニズムを解明すると、「食の世界」が「血の世界」を造り出し、それが分化・発展を遂げて、「体細胞の世界」を構成するという移行が明白になります。
 人体における生体は、その中心部から発する躍動的な、然も、遠心性を持った「分化・発展構造」を持っていることになります。

 食が血になり、それが躰に変わる。その躰の根源は食であるから、躰は「食の化身」であることが分かる。その躰を造る最初のかかわりを持つ処は「腸」であり、腸が血液を造る。この一連の流れが千島学説の主なる真髄です。
戻る次へ