人体は命体と生体から構成され、この両者を結び付けているのが「気」という“心”であり、心情のエネルギー体です。
これは車に乗った人間に喩えるならば、車(肉体部)という座席部に人間(霊体部)が乗り、車と人間が離れないように結び付けたものが、シートベルトに例えた心の存在です。
しかし心は、肉体部に属するものと、霊体部に属するものがあり、時と場合によって、その心法の遣(つか)い方の訓練が出来ていないと、様々に片寄ります。
さて、生体はその本質として「形」を現わします。また霊体はその本質として「霊」を現わします。形は物資体を現わし、霊は霊魂を現わします。その両者を固く繋(つな)ぎ留めているのが、「気」というエネルギー体であり、それぞれの「意味」は物資体が天意の地上的表現、霊魂は地上に降ろされる天意、そして両者を繋ぐ気は、「天の気」と「地の気」を結び付けます。
地上的表現の本拠は下丹田である「気海」に存在し、霊魂は上丹田である「泥丸(でいがん)」に存在します。そしてそれらを結ぶ連結部分は中丹田といわれる「小腹」(または命門)に存在します。
そしてその波調も、下丹田ではその気の本質が「粗く、パワフル」であり、中丹田では「やわらかく、やさしく」、上丹田では「細かく、密で、気高い」という波調を生じます。これは「霊性」が高まったからです。
さて多くに人は、食べ物は「消化は胃で行われる」と思っているのではないでしょうか。
食べた物の総てが、胃で消化されると思い込んでいる人は、意外にも多いようです。
例えば、「消化に悪い」とか「消化を助ける」という時には、安易に「胃」という付属語を付け、“胃の消化に悪い”とか“胃の消化を助ける”などということを言います。
ところが、粗食の多くを占める“ご飯のおかず”の主成分やデンプンを分解し、消化する酵素は、胃には全く存在しません。
デンプンの主な消化酵素は、α-アミラーゼであり、これは唾液の中に存在します。したがって、食べ物を躰(からだ)の中に取り入れ、有効な物にするには、口の中でよく唾液と掻(か)き混ぜ、「噛む」ということが大事になってきます。
更に、α-アミラーゼは、味噌や醤油などの食品の中に含まれる塩分(自然塩)の塩素によって活性化されます。
粗食中心の食事では、米のご飯を食べる場合に、味噌汁を飲むという日本的な食事のスタイルがあります。これはまさにα-アミラーゼという消化酵素を活用する、まことに理に適(かな)った食餌法(しょくじ‐ほう)なのです。
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▲肉中心の食事では、唾液の中に含まれるSODなどの酵素が不足して、ガンなどの成人病になり易い。そして、人間はもともと肉を消化させる消化酵素を持たない。その為に、肉を常食していると、腸内で腐敗が起こり、その結果、二級アミン、アンモニア、硫化水素などの腐敗物質が発生し、これが著しく血液を汚し、血液を酸毒化する。
これら諸々の腐敗物質は、総て“四ツ足”の肉のタンパク質であり、現代栄養学が言う「良質のアミノ酸?」が元凶になって生み出されている。結局肉は、健康にとっては、全く“無用の長物”なのである。 |
また、唾液の中に存在するSOD(Super Oxide Dismutase/増え過ぎた活性酸素を除去し、成人病を防止する)、カタラーゼ(Katalase/過酸化水素を水と酸素とに分解する反応の触媒となる酵素。ほとんどすべての細胞に存在)、ペルオキシダーゼ(Peroxidase/分子状酸素による直接酸化反応を触媒する酵素。活性酸素は生体分子を破壊し有害である為、、防御機構が存在する)などの酵素は、食品中に含まれる発ガン性物質を抑制する働きがあります。
したがって、食べ物は「よく噛む」ということが大事で、唾液とよく混ぜ合わせることです。これこそが、生きる人間にとって、「最も大事な行為」なのです。
私たちの身の回りには、いろいろな危険な物で覆(おお)われています。
例えば、化学物質、大気汚染、排気ガス、水道水、紫外線、放射線、電磁波、化学薬品、たばこ、残留農薬、食品添加物、新建材などです。こうした物質は、活性酸素を増やす原因となります。
唾液の中には、「活性酸素を取り除く働きをする酵素」が含まれているのです。
しかし粗食以外の欧米食や、食肉中心の食事をした場合、これらの酵素は量的に不足します。更に、体内のSOD酵素の働きも、年齢とともに減少し、40歳を境に低下し、50歳に至っては、更に激減します。この年齢層に、ガン発症者が多いのはこの為であり、元凶は、日本人に不向きな肉食を中心とした欧米食であり、この種の食事をする人や、肉や、試食などを好んで食べる人は、発ガン率も高くなっていきます。
それは肉を分解する酵素自体が人間にはなく、唾液に含まれる酵素だけでは、賄(まかな)えなくなってきているからです。そして、活性酸素が増える大きな原因は、環境問題やストレスです。現代社会では、それが年々悪化の一途にあります。
ちなみに、活性酸素とは、元来、人間も含めた動物や植物の体内にあって、バイ菌や有害物質が侵入してくると、これを殺す(溶解)役割があります。
活性酸素は躰(からだ)を守る為の重要な科学物質ですが、この有り難い活性酸素も、必要以上に増えてしまうと、その“強い殺菌作用”で、逆に、正常な細胞を攻撃します。これが発ガンするメカニズムの一つにも数えられています。
したがって、まず、唾液の中に存在するSOD、カタラーゼ、ペルオキシダーゼなどの酵素で賄(まかな)える粗食をすることが大事なのです。
霊的食養道には、「噛めば噛むほど神になる」という言葉があります。
ここでいう「神」とは、火と水のことで、この二つを「火水(かみ)」といいます。
「火」は上顎のことで、「水」は下顎を指します。この火と水が、つまり「神」の役割を果たすのです。
噛めば噛むほど神になると言うのですから、それは霊的神性が高まることをいい、霊性を高めること自体が、つまり「神に至る行為」となります。
人間が虫歯になる原因は、動蛋白に含まれる酸化毒素が歯に絡み、それが砂糖類や油脂類などによって更に追い打ちをかけ、こうした元凶が重なって虫歯や歯周病が起こります。
また、これにより歯を失うことになります。歯が抜ければ、噛める物を噛めなくなります。
そして最近では、歯を半分以上失うと、老人性痴呆症であるアルツハイマー病にも罹(かか)り易いと言う報告も出ています。
歯が抜けて、少ないほど痴呆症に罹る確率は高くなるのです。
また、歯を抜いたとしても、痴呆症になった人は、一般の同じ年齢の人に比べて、若い時に歯を抜いた人で、同じ抜歯でも抜いた時の年齢によって痴呆症罹病の差があるようです。
同時に、よく噛むと言うことが如何に大事か、この事が教えてくれます。欲噛むことは脳を刺激し、脳の働きを促進させるが明確になってきました。
つまり、「よく噛む」ということは、則(すなわ)ち「霊性も高める」ということに繋(つな)がっていたのです。
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